総天然色なり『大人のウルトラセブン大図鑑』

ウルトラセブン好きなぼくとしてはこういうムックはついついポチッてしまいます。その名も『大人のウルトラセブン大図鑑』。 誕生から50年近くになるというのに今だに根強い人気があり、そして、ウルトラシリーズで最も濃いファン層を誇ると言われる(注:筆…

『ゼロ』についての感想文

ホリエモンの『ゼロ』、読みました。 ぼくは20年以上もIT業界に身を置いていますが、実は、ホリエモンに特別な興味を持ったことはありませんでした。本書によれば、彼の著作は共著も含めて50とのことですが、これまでぼくが読んだことのある堀江貴文さんの本…

教養について考えてみる 〜 『学び続ける力』

文系ど真ん中の人間が理系トップクラスの東工大で教鞭をとることになる、はてどうしたものか、といった心境がきっかけで生まれた、教養とは何かについて著者池上彰さんの思いをしたためた本、それが、『学び続ける力』です。今風に「〜の力」だなんて誠に残…

北斗の拳で現在完了形を克服する

『北斗の拳で英語を身につける本』というなんとも心をゆすぶられる本をコンビニの本棚に発見。その写真をFacebookへアップロードしましたところ早速議論になりまして。 表紙にいきなり「お前はもう死んでいる」=「You are already dead.」と書かれているの…

大河ドラマのおともに〜『幕末入門』

昨年の大河は酷評が合点のいかない『平清盛』でしたが、今年の『八重の桜』、一昨年とその前の『江』、『龍馬伝』と、大河は幕末(と戦国時代)が大好きです。というか、大河を見る方々が幕末好き、なのかな? 同じ時代を描いていても主人公が変わればストー…

絶対快作、『鈴木先生』。さて劇場版は?

昨年テレビ東京で放映されていたドラマ『鈴木先生』、結構好きでした。漫画方面はあまり詳しくないため原作があったことは知らなかったのですが、ドラマ自身が純粋におもしろくて毎回楽しみにしていました。 『鈴木先生』は、中学校を舞台とした学校ドラマな…

LINEが本当にキャズムを超えるのはぼくが使い出した時だな、と。(『LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか?』を読んで)

コグレさんとまつもとあつしさんによる共著『LINE なぜ若者たちは無料通話&メールに飛びついたのか?』(マイナビ新書)は、「LINEとは何か」、「いま、LINEをめぐって何が起きているのか」を理解するための、もっともわかりやすく、無駄のない、しかも単なる…

『ワンクリック』 〜 本を読まなくったって十分すぎるほどベゾスとAmazonは魅力的なのに

『ワンクリック』、ようやく読み終えました。サブタイトルに「ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛」とありますが、Amazonについてではなく100%ベゾスの本ですね。 ベゾスって、名前こそ業界内に轟いていますが、そのひととなりについては謎めいていた部分も多…

深い愛なくして作り得ない感動の一冊 『ウルトラセブン研究読本』

これはもう、史上最強のウルトラセブン本であると断言できよう。すべてのセブンファンが購入必須であるのは言うまでもなく、日本中のあらゆる喫茶店はすべからく常備すべきすばらしい本である。これが2100円で買えるとはなんという太っ腹。装丁がも少し良け…

ザ・ブロガー魂 〜 『必ず結果が出るブログ運営テクニック100』

コグレさん(@kogure)とするぷさん(@isloop)の共著による、ブログの「書き方」と「伝え方」そして「儲け方」の虎の巻、『必ず結果が出るブログ運営テクニック100 プロ・ブロガーが教える"俺メディア"の極意』を読み終えましたので感想など。 読み終えた第…

パソコン万歳、RSS万歳〜『ネット速読の達人ワザ』

コグレマサト(@kogure)さんの著書、『"知りたい情報" がサクサク集まる! ネット速読の達人ワザ』が昨晩アマゾンから届き、早速読み終えましたので読後感などを。 この本は、ネットの情報をどうやって効率よく集めるか、自分にとってより有益な情報をどう…

お寺の鐘と音叉の共鳴を知る『マキコミの技術』

『マキコミの技術』は、3年以上前に書かれた『クチコミの技術』に対してその後の技術の進歩、市場の変化を反映した「差分アップデート」のようなものです。ですから、『クチコミ…』を読んだ人はこの本の内容がすーっと胸に入ってくるでしょうし、逆にこの本…

うまく言えないんだけど、でも、ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である

「成功するまであきらめず継続努力すること」は、ネット業界に限らず成功者の特性としてこれまでも見聞きしていたので、この『ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である』もそういう類のことを説く本だろうと勝手に決め付け手を付けずにいたのです…

『ルリボシカミキリの青』とセンス・オブ・ワンダー

『生物と無生物のあいだ』で有名な生物学者、福岡伸一氏のエッセイ集*1『ルリボシカミキリの青』、非常によい本でした。 福岡作品を楽しいと思えるかどうかは、彼の著作にしつこく登場する「動的平衡」という考え方に素直に感動できるかどうかが分かれ目のよ…

『小さなお店のツイッター繁盛論』は、ただものではない

ツイッター界隈では飲食店「豚組」のオーナーとして有名な中村仁さんの著書『小さいなお店のツイッター繁盛論』、かなり内容濃いです。タイトルから「はやりの "ツイッター" を活用した、商売のノウハウ本かな?」と思った人は大間違い。もちろん、商売にツ…

『48億の妄想』の想定を超えたライブストリーミング世界

ライブストリーミングがすごいことになってきました。単なるネットを使った生放送というだけでなく、Twitterと連携することによって送り手と受け手がライブで直結してしまうのです。これはすごい。 さらに、モバイルデバイスによる生放送が手軽にできるアプ…

できる人もできない人も目を通そう (『仕事するのにオフィスはいらない』より)

社会人になって20年弱、かつての同僚や後輩が起業したという話が増えてきたり、仕事がらフリーランスの方々と接触することもままあったりして、さらには自分のいる業界がITなこともあわせて、『仕事するのにオフィスはいらない』に書かれているような雇用形…

タレントは本物の芸能人を目指そう (『2011年新聞・テレビ消滅』を読んで)

「大人の事情」が主な理由とおぼしき釣りに過ぎる書籍タイトル*1が本屋にあふれ、最近は少々食傷気味。書籍は目にとまり手にとられてナンボですから仕方ない部分もあるのかもしれませんが、タイトル負けした内容も少なくないように思います。 しかし、『2011…

グーグルがヤフーに勝てない102番目の理由 (『ウェブはバカと暇人のもの』より)

俺様の話を聞け節が炸裂している感がかなり強いので読んでいてやや引けてしまうんだけど、それでも、ネットすごいぞ症候群 (自分自身も含めて) 向け解熱剤のひとつとして薬局、、じゃなかった書店でお求めになるのもよろしいかと思います。 日本のネットのあ…

あらためて、言葉の力。『スティーブ・ジョブズ 成功を導く言葉』

スティーブ・ジョブズやアップルに関する本は何冊も読んでいるのでジョブズのこれまでの振る舞いや武勇伝は知っているつもりだったけれど、こうやって言葉だけを取り出して解説を加えている本を眺めてみると、彼が残してきた「言葉の力」を再認識することが…

NHKスペシャルのネタにいかがでしょう、『デジタルネイティブが世界を変える』

『ウィキノミクス』などで著名なドン・タプスコットによる、「生まれたときからデジタルテクノロジーに囲まれ、それらを空気のように呼吸してきた世代」を語り明かした、力の入った書です。世界規模の調査データを参照しながら、豊富な事例と自身の体験談 (…

『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』を読むと時代がひとつ進んだなと感じる

「2ちゃんねるを捨てた理由」は数行でおしまい。しかも「捨てた」わけでもないので、このタイトルはあまりに釣りが過ぎる。まあ、そこは大人の事情のようですからガタガタ言わないでおくとして、内容としては「ひろゆき語録」。思いついたことを口頭筆記した…

『できそこないの男たち』は加速度に支配される

『できそこないの男たち』は、オスという生き物の生い立ちと性(サガ)を解説した本です。 著者の福岡伸一氏は『生物と無生物のあいだ』で著名な生物学者さんで、サイエンス本ではあまり見られない小説のような文体が特徴です。そんな彼の文体は好みが分かれる…

「当然のこと」が亡びるかもしれない

一時期少なくともネットの一部ではすごいことになっていた『日本語が亡びるとき』ですが、会社近くの本屋ですぐに入手できた幸運を正しく使うために、すぐに読みきりました。(それはもう約2週間前のことなんですけど...(笑)) この本、著者の持つ危機感がいい…

マイケル・クライトン氏の仕事について

黒人初のアメリカ合衆国大統領が選出されたその日、アメリカを代表する作家マイケル・クライトン氏がお亡くなりになったとのニュースが飛び込んできました。(後日補記: 亡くなられたのは11月4日だったそうです) クライトン氏の仕事の中では、「ジュラシック…

文字通りの断言集 - 『弾言』

「小飼弾」の名前につられてうっかり買ってしまいました。『弾言』。 天下のブロガー様に私ごときが意見するなんぞ百年早いので、この本の活用法を簡単に。 同書は、一冊の本としてはじめから終わりまで通読する必要はない・かも・しれません。サブタイトル…

これから観る、『20世紀少年』

映画『20世紀少年』の公開が始まりましたが、ネット上での反応を見ていると、大方の意見は好意的なもののようです。今のところまだ、「よかったー」とか「次を早く観たいー」的な、具体的な記述がない感想がほとんどですが、代表的なコメントを読めばなんと…

『包帯クラブ』について

愛ってなんだろう、思いやりってなんだろう、ってことを語りだすと (酔ったときは特にだが) ついつい説教調になってしまいます。でも、そんな説教より一本の映画。 さて、世の中があまりにもジコチューに過ぎる今日この頃、映画『包帯クラブ』を観てピュアに…

荒唐無稽だっていいじゃない - 『20世紀少年』

嘘か本当かは定かではありませんが、巷では世紀末ブームが来るとかこないとか。21世紀を迎えてまだそれほど経っていないというのに、それほど希望の持てない世の中なのか。そんなとき、まったくの偶然に、以前の同僚と当時の社長にすすめられて「人類滅亡」…

実践するエンタープライズ2.0

『エンタープライズ2.0 〜 次世代ウェブがもたらす企業変革』という本を読ませていただく機会がありました。タイトルだけを見て拒否反応を示す人もいるかもしれませんが、この本をフツーの「2.0本」と思ってはいけません。地に足の着いた、しっかりと、太く…