あらためて、言葉の力。『スティーブ・ジョブズ 成功を導く言葉』


スティーブ・ジョブズやアップルに関する本は何冊も読んでいるのでジョブズのこれまでの振る舞いや武勇伝は知っているつもりだったけれど、こうやって言葉だけを取り出して解説を加えている本を眺めてみると、彼が残してきた「言葉の力」を再認識することができます。


ぼくは、言葉というものをとても大事にしたいと日ごろから思っています。最近は年のせいか、タイポをしても気づかずにそのままメールしたりブログへポストしてしまったりするけれど、句読点の打ち方とか文章のわかりやすさについて自分なりに気にかけているつもりです。ブログのエントリーも、頭の中が整理された状態で書き始めることは稀なので、こんな文章でもそれなりの時間をかけて推敲しています。ただ、文筆のプロでもないしド理系な人間なので、そもそも文法変じゃね?それ漢字の使い方おかしくね?という箇所がたびたび顔を見せているのではないかと思いますが。。


言葉を大事にするのはなにも文字の世界だけではありません。日常の会話でも、少しでも曖昧さがあると感じる表現や言葉があれば、「それはこういう意味ですね」、「ここんところが曖昧なんですけど」、などと話を中断して確認することもしばしば。ただこれは一長一短で、ビジネスの現場では時に場の流れを悪くしたりアクションのスピード感を下げたりしてしまうために、自分はこだわりすぎなのかもしれないと反省したり、自問の日々。バランスが難しい。


言葉を大事にすることは軽んじるよりはるかに大切なことだと思う。それは、言葉には力があるから。いや正確には、力を持たせることができるから。力ない言葉も、力がこもった言葉も、使う人の心持ち次第、ということ。たとえば、この本にある以下のジョブズの言葉などは、常にイノベーティブでありたいと思う自分の胸にまっすぐに飛び込んでくるし、一字一句かみしめて心に刻んでおきたいものです。


「(イノベーションを起こす) しくみは、そんなしくみなんて持たないことだ」
(The system is that there is no system.)


「我々は新種の自転車をつくり出した」
(We created a new kind of bicycle.
)

(筆者による解説)
イノベーションの生み出し方に定石や公式のようなものがあれば、世界中のどの会社もイノベーティブになってしまう。アップルがイノベーションを起こし続けられるのは、世界中から集まってきた優秀な社員たちが、自分たちの会社がイノベーティブであることを自覚しており、その期待に自ら応えるべく、常にイノベーションを起こすための方法について考えを巡らせているからであろう。


スティーブ・ジョブズ 成功を導く言葉 (青春新書INTELLIGENCE)

スティーブ・ジョブズ 成功を導く言葉 (青春新書INTELLIGENCE)