800馬力が惚れた地上の航空機 〜 サーブの売却が正式発表

saitokoichi2009-06-17



欧州での発表によれば、サーブ(SAAB)の引き取り手が決まったようです。今となってはマイナーなブランドになってしまったサーブですが、GM傘下だったということもあってか思ったよりも多くの媒体で取り上げられていました。


しっかし、その身売り先がスウェーデンにある従業員50人に満たないスーパーカーメーカーであるケーニグセグというのが驚き。クルマ好きを引退してかれこれ20年は経っており、正直ぼくはこのメーカーの存在を知りませんでしたが、1994年にビジネスをスタートさせた新興のメーカーで、日本でも西麻布にオフィスを構えて商売をしているようです。フラッグシップモデル (と言うか、それ以外に現存する車種があるのか不明w) である「CCX」(右上の写真を参照)はV8 4700ccの800馬力(!)で希望小売価格が 125,000,000円〜。いいですか、いちおくにせんごひゃくまんえん "から"*1、ですよ。


引き取ってくれるところが見つかったのは良かったのですが、この会社が果たしてサーブを支えきれるのでしょうか? ケーニグセグ社の財務状況は不明ですが、サーブとは市場も性格も接点がなさそうなメーカーで、唯一の接点と言うか今回の背景にもあっただろう要素が同じスウェーデンの会社である、ということくらい。もちろん、サーブというクルマは見かけよりはるかにスポーティーで、ハイプレッシャーターボのモデルなどは文字通り怒涛の加速を見せるのですが、それでも、いわゆる「スーパーカー」とは違います。


クルマ業界に厳しい現在の景気や、燃費が良くないイクルマ=悪とさえ言われかねないエコ時代で、ケーニグセグとサーブの先行きに不安がないかと言えば嘘になりますが、これからも "SAAB" ブランドを絶やさないよう、がんばっていただきたいと願うばかりです。9-5の新モデルもなんとか出せるといいですね。

2010年2月4日追記:
その後、紆余曲折あり最終的にオランダのスパイカー・カーズが買い取るということに決まりました。
関連エントリー> 『SAAB goes to Netherlands

*1:「CCXシリーズ」としていくつかのバリエーションがあるようです