四月になれば、、、

藤井風くんの主題歌(『満ちてゆく』)がエンディングで流れるのを聴きたくて、映画『四月になれば彼女は』を観てきました。じんわり愛が沁みてくる大人の映画の幕を閉じるにふさわしい、映像と音楽の融合の体験です。

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映画の中身はというと、原作も読んでいるぼくからすると、重要な登場人物が出てこなかったり原作にない展開が随所に見られたりしていましたが、「愛」をテーマにした良い作品だったと思います。欲を言えば、ほぼラストシーンというか物語が最高潮に盛り上がる場面の「場所」は原作と同じであってほしかったな、とは思いますが、様々な事情や制作サイドの思惑もあっての選択だったと思うので、そこはとやかく言わないことにします。あ、そうそう、長澤まさみはバッチリでした。ベストなキャスティングです。

 

ぼくは本来、恋愛もののドラマや映画、小説などにはほとんど興味がないのですが、今回は藤井風くんが主題歌を書き下ろしてくれたということと、風くんの素敵なPVをいくつか手がけている監督が初メガホンを取るということで、例外的に、この映画の存在を知った時から絶対に観るぞと決めていました。一言で言えば、「無くした愛を取り戻す」物語で、予想通り映像はすばらしく、ストーリーも浮ついていないちょっとだけ大人向け、、と言っても30代半ばあたりかな、、のラブストーリーです。いや、もしかすると30代ぐらいまでの自分を振り返る40代以上向け、かも、しれません。そんな映画に最高にハマる主題歌を26歳の藤井風くんが書いたことに、ただただ戦慄。

 

この映画は、何かに傷つき、そして傷つくことを恐れて、本当の愛から自らを遠ざけてしまう、そんな登場人物たちが、長い時間と出会いと別れを紡ぎ合わせていった先に、未来が見えてくる、そんな物語。絶望から立ち直り、希望の光を掴んだところで「満ちてゆく」心地よい余韻をぼくらの心に残してくれる佳作です。

 

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※PVと映画の内容は全く関係ありません