イエスマンについて

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ウクライナでの戦争にまつわる報道やその他あまたあるネット上でのおしゃべりにおいて、ロシアの大統領がイエスマンを周りに侍らせてるとかないとか取り沙汰されているようですが、ジム・キャリー主演の映画『イエスマン』は "ほんわか" する温かい映画です。

ジム・キャリーって不思議な俳優さんですね。コメディタッチの映画なのに、ただ笑わせるだけでなく観る者の心に温かさを宿してくれる作品に仕上げてしまう、そんな素敵なキャラクターをお持ちです。

 

イエスマン』は、人付き合いが嫌いで、仕事ではいつも不機嫌、友人からの飲みや遊びの誘いを「ノー」と断ってばかりいる主人公が、ある自己啓発セミナー(なんとこんなコメディー映画に名優テレンス・スタンプが三枚目役で登場!)がきっかけで、すべてを受け入れる「イエスマン」になり、「イエス」と答え続けることによって次第に人間らしさや他人への思いやり、新しい自分らしさを見つけていく、というストーリーです。

 

そう、この映画で言う「イエスマン」は、単に 「イエス」と答えるというだけでなく、相手を無条件に受け入れる人、ということも意味しています。ぼくは、相手を受け入れること、すなわちそれは愛のカタチである、と勝手に思っていまして、あ、ここでの「愛」は恋愛感情っていう狭い範囲の話じゃなくて、大きく出れば人類愛とでも言いましょうか、そういう懐の深さ、温かさを表しています。「イエス」「イエス」「イエス」…、を徹底的に貫いていって、そして最後には再び「ノー」を言う場面が出てくるのですが、この段階での「ノー」は「イエスマン」になる前のジム・キャリーが使っていた「ノー」とは意味合いがかなり違ってきています。「イエス」も大事、「ノー」も必要、ただ本質は表面的な「イエス、ノー」というコトバや態度ではなく、他を思いやる気持ち、愛なんだ、っていうメッセージが込められた映画なんだな、と感じました。

 

映画『イエスマン』、たった100分余りで温かい気持ちにさせてくれる、素敵な作品です。