学校で「発達障害」の子どもが急増する本当の理由?

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『学校で「発達障害」の子どもが急増する本当の理由』という記事を見かけました。

toyokeizai.net

 

「本当の理由」とタイトルで謳いながら本文ではその点にあまり深く切り込んでいない印象を受けましたが、”急増する" 理由は二つあると思っていて、ひとつはこの手の「比較的最近話題になってきた話」にありがちな潜在的発達障害児がしかるべき調査が立ち上がってきたことにより顕在化し数が増えたように見える、という点と、その母数自体が実際に増えている、という両側面があると思います。記事には後者のついてのインサイトを期待していたのですが、ほとんど言及がなく、全体として発達障害(とくに子供たちについて)の現状を整理しただけのものとなっている印象を持ちました。

 

発達障害者に対して社会がどう接していくかはまさにD&I(ダイバーシティー&インクルージョン)への私たちの考え方や具体的な活動に直結しますが、これは学校や子供たちだけの課題ではなく、若者や大人も含めた発達障害者の存在を正しく受け入れていくことが私たちに求められていると思います。

 

身体的、精神的なマイノリティーの受け止め方はここ数年で(日本においても)ずいぶんと進んだ気もしますが、まだまだ道半ばだと思います。最近『恋せぬふたり』というドラマをNHKでやっていたのですが、この作品では「恋愛感情や性欲を持たない」アロマンティック・アセクシュアルな人々の生活に光を当てて家族とは何かをあらためて考えさせられる意欲的なよいドラマでした。この手の役をやらせると高橋一生はピカイチですね。

 

個々人の「違い」を受け入れるということは簡単なようでなかなかに難しい。そしてそれを「社会」という単位で受け入れることはさらに様々な課題があります。いま、私たちはまだそういった「違い」について学んでいる最中にいます。すべてのひとが心を開いて他人や社会と交わっていける世界を実現するために、私たちは学び、受け入れ、考えて、というサイクルを回し続けていくことが必要ではないでしょうか。