昨年テレビ東京で放映されていたドラマ『鈴木先生』、結構好きでした。漫画方面はあまり詳しくないため原作があったことは知らなかったのですが、ドラマ自身が純粋におもしろくて毎回楽しみにしていました。
『鈴木先生』は、中学校を舞台とした学校ドラマなのですが、描写が非常にリアルでどこか神経を引っ掻くような生々しい表現もある一方で妄想癖のある先生が主人公(鈴木先生:演じるのは長谷川博己〜『家政婦のミタ』のお父さん役ね)だったりユーモラスな側面も持っています。オープニングのビデオも秀逸で俳優陣もなかなかだったり、歴史的低視聴率のドラマ(平均で2.1%はゴールデンアワーの歴代ワースト2位とか)というのが信じられない快作だと思っています。
その『鈴木先生』、低視聴率とは裏腹にDVDの売れ行きが好調のようで、テレビ番組に関するいくつかの賞をとったりと、評価する人も少なくないんだなーと思っていたら、なんと来年映画公開じゃぁありませんか。公開に先立ってノベライズ本を読んでみたのですが、映画に期待を持たせてくれるスリリングな内容でした。(『鈴木先生』に興味を持つすべてのひとにおすすめします。ノベライズ本というと退屈だったり大げさだったりすることが多いですが、これはまともです)
- 作者: 蒔田陽平,原作:武富健治,脚本:古沢良太
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2012/11/28
- メディア: 文庫
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おもしろかったテレビドラマって映画化するとつまらないものになってしまうこと多いよなー、と思っているのですが、どうしてだろう、と、時間とお金に余裕が出ることによってストーリーとか世界観をふくらましてしまうからなのかもしれない、という仮説を立ててみました。テレビシリーズの時にあった世界観を大きく変えることなく(だって、その世界観が作品自体の魅力なわけだし)、テレビでは時間と金の制約があって表現しきれなかったところを「伸ばしていく」(ふくらますんじゃなくて)ことができれば、退屈な映画にはならないのではないかな、と。
さてこの『鈴木先生』の劇場版、どんな作品に仕上がっているのでしょうか。来年の公開が楽しみです。