ノーベル賞すごい


二日続けての日本人の受賞はすばらしいことではあるのですが、テレビの報道番組での取り上げ方がなんとも退屈でもったいないなあ、と感じます。


ノーベル賞は国際的に相応の価値ある賞なんだろーなくらいの感覚は日本国民の中で共有できているはずなので、「すごいですね」「同じ国民としてうれしいです」的発言ばかりの街頭インタビューがだらだら流れるニュース番組を見ていると、これって何の意味もないばかりか受賞の中身や意義をしっかり伝えるための時間を削ってしまっているようで、とても残念です。赤の他人の街頭インタビュー、受賞者と何の関わりもなく単に同じ大学だというだけの人の発言、地元の一般人の声、安倍首相からのお祝いの電話、、、すべてワイドショーに任せておけばよろしい。(ワイドショーには意義と役割がしっかりある、と言いたいのです、念のため)


特に今回のような分野での受賞は「理系離れ」が叫ばれて久しい我が国においてはいい意味で刺激になるしそうしなければいけないのに、「すごい」「誇りだ」で思考が止まってしまっていてはいけないな、と自戒を込めて考える次第。それって、国民としてどう感じたかというだけの内から外への思考にとどまっていてちっともグローバルな視点じゃないから、「ノーベル賞受賞した」というだけの "どうやらすごいらしい" をみなが感じているだけで、何がどうすごいのか、そして何より、自分たちがこの受賞をどう捉えて今日からの自分をどう変えていくか、を考えるきっかけになっていないのです。受賞した人はあの人、すごい。自分、同じ国民、うれしい、以上。


報道さんは、とくにテレビのニュース番組のような短時間で「今起きていること」を切り取る役割を担った方々は、本質的価値や意義をわかりやすく、しつこく、伝えることに注力してほしいのであります。