「これってテレビでも見られるんですよね」iPod


iPodの新版やiTMSあらため「iTunes Store」発表を受けて数多くの反応がありましたが、今朝の民放番組で面白い言葉を耳にしたので記しておきます。

その番組では今回の発表について「今度のiPodもかっこいいですね」というデバイスに対する感想に加えて、キャッチーなポイントとして「高画質の映画が配信されるようになるのです。ほら、『パイレーツ・オブ・カリビアン』もね」なんて紹介をしていました。ここで出たのが、同報道番組メインキャスターの男性の一言。


 「これ、テレビでも見られるんですよね?」


生放送でレポートしていた担当者がほんの一瞬だけ頭のCPUをフル回転させていたのをぼくは見逃しませんでしたが、彼はさらりと「ダウンロードしたPCやこのiPod自身で再生できます」とだけ回答していました。iTVがどうしたとか「これこれこういうのを別途くっつければ」みたいなことは言いませんでした。正しい。キャスターは納得したのかしないのかわかりませんが、にこにこしながら「いやあこれからも時代はiPodですよ」みたいな(このような言葉だったかどうか忘れましたがこういうような意味でした)コメントでその場をしめていました。


現場のレポーターは、おそらく技術的なことは(あるいは以下に記述する問題点も)わかっているのでしょうけれど、問題はキャスターさんです。具体的には、iPod/PC/インターネットの技術的な面白さよりもむしろその先にある「テレビとはなにか」*1「放送とはなにか」*2といったあたりの昨今の議論にどこまでこの方が当事者意識を持っているか、という点が気になった次第です。きちんとした理解とか将来の明確な予測なんて必要ないですし、それができるひとは限られているでしょう。ぼくも理解は超浅いですし将来についてもその程度の知識に基づいた意見くらいしか持っていません。でも、インターネットによって「なにか大きな動きが起きている、らしい」程度の意識は持っているべきかと思います。


仮にこのキャスターの方が、わかったうえで今朝のような質問をレポーターに出したのであれば(そうとは到底思えませんが)、それはそれで朝のあわただしい報道番組で持ち出すネタではないので、やっぱりダメ出しですねえ。

*1:テレビは電波受像機かパソコンか家庭内汎用モニターか個人向けメディアセンターかインターネットへの窓口か...etc

*2:放送と通信の融合、「テレビ放送」という形態のあり方、放送局・コンテンツ・利用者の関係、インターネットとNGN...etc