北斗の拳で現在完了形を克服する


北斗の拳で英語を身につける本』というなんとも心をゆすぶられる本をコンビニの本棚に発見。その写真をFacebookへアップロードしましたところ早速議論になりまして。


表紙にいきなり「お前はもう死んでいる」=「You are already dead.」と書かれているのですが、これが英訳として適切かどうかというのが主題。「You have died. じゃだめなの?」という意見が出まして、うーんキタキタ、ぼくの苦手な現在完了ではあーりませんか。


このセリフの言わんとするところは、相手に対して「お前は生きていると思っているようだがすでに死に体である」という相撲用語的な状態のことでありまして、「お前はもう確実に死ぬ」という意味において「You must die」でもいいじゃないかとも考えられ、いやでもそれじゃあ人間誰だっていつかは死ぬんだから「今、この瞬間、お前は死んでいる」を表すには微妙に違うよなー、かと言って「immediately」とかつけりゃいいかというとなんかそれも堅苦しくてさえないなあ、などと悶々としておりました。


そこへ日本語が堪能なアメリカ人の知人からコメントがつきまして、結論から言いますと「You are already dead.」が一番適切な表現だ!とのことでした。現在完了形、つまり "have" を使うと、結果としての「死んだ状態」に近くなってしまい、「この一撃でお前は逝ったのだ」を表現できてないとのことでした。"Present Perfect" = 現在完了。学生時代はへんてこりんな日本語訳にしやがってと思っていましたが、なるほどなかなかに含蓄ある言葉であります。


北斗の拳で英語を身に付ける本』は2009年刊行のようですので、中学時代これで英語を勉強したぜという高校生もいるのかもしれませんね。(いないか)

北斗の拳で英語を身につける本

北斗の拳で英語を身につける本