うまく言えないんだけど、でも、ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である


「成功するまであきらめず継続努力すること」は、ネット業界に限らず成功者の特性としてこれまでも見聞きしていたので、この『ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である』もそういう類のことを説く本だろうと勝手に決め付け手を付けずにいたのですが、私が完全に間違っていました、ごめんなさい。


この本は、「ログを残しましょう。うまく言えないけど、いいことあるよ」を伝えたかった本です。(たぶん)


著者であるいしたにまさきさんのそういった思いを、110人ものブロガーへのアンケートと詳細な分析、そしてウェブ界隈の〈やめない人〉へのインタビュー ― つまり客観的な材料を使ってなんとか伝えたかった、そういう本です。


で、はい。最後まで読めばその思いはしっかり伝わってきます。ネットに言葉を残していくことによってそれが思わぬ変化を起こす。この変化は予想もできないものだけど、きっと言葉の持ち主にとってプラスになる。でもそれにはある程度の時間(というか蓄積というか)が必要なんだ、〈やめないこと〉なんだ、という話です。


ぼく自身、ブログを始めたのは「情報を発信していこう!」なんてカッコいいことを考えていたというよりは、自分の考えを言葉として残しておきたい、しかもそれをオープンな場所に置いておきたいという思いがあったからなのです、ほんとに。ブログ記事を読んでもらうこと自体が目的ではなく(もちろん、読んでいただくことはとてもうれしいことです!)、種(たね)としての記事をオープンな場所に蒔いておけばそのうち何かに化けるかもな、程度で、何がどうなるなどということは予想も予見もせずに、「今これを始めなければ」という気持ちで半ば焦りを感じながら始めたのです。


このブログは4年半ほど続けてきているので "うまく言えないけど、いいこと" は実感として持っています。同書でアンケート対象になったそうそうたるブロガーの方々に比べればその実感のレベルははるかに小さいはずですし、ページビューだってチョロチョロ、しかも「ネットで成功」しているわけでもありません(笑)が、ぼくにとってブログはもはや自分の分身のようであり、これを続けることは呼吸と同様の生命維持活動みたいなものなのです。(関連エントリー: 『勝手に回答。その他の〈やめない人たち〉より』)

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である

ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である