ダイバーシティ、イクイティ、インクルージョンの企業活動について

「ひと」の多様性や公平性そして各々の特性を生かしながら生き生きと働ける環境を提供する「ダイバーシティ、イクイティ、インクルージョン(頭文字をとってDEIとかDE&Iとか呼ばれます)」の活動にどれだけ本気で取り組んでいるかでその企業の働きやすさや「従業員幸福度」は大きく変わってくると思います。ぼくがこれまで勤務してきたどの企業にも、力の入れ方の強弱はあれ、DEIへの取り組みは見られましたが、個人的感覚で申し上げると、いまの勤務先のDEI活動がこれまでで一番「本気度」を感じています。その本気度というのは、その活動を推進するコアとなるメンバー(ほとんどのメンバーは本業のかたわらで活動するボランティアです)だけでなく、DEIというものが会社のDNAのひとつとして組み込まれている、つまり隅々の一般社員に至るまで浸透しているかどうかで測ることができます。我が社では、まさに、全社員の体の中に、DEI的なものが沁みわたっていることを強く感じるのです。

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ぼくは何も自社の自慢話をしたいわけではありません。ぼくがここで伝えたいのは、DEIに代表されるような個々人の意識の変革をともなう活動というのは、「一夜にしてならず」なわけで、長い時間をかけてだんだんと「自然なこと」として従業員の身についてくるものなので、この会社でもいまの状態に至るまでには相応な時間と労力が必要だったんだろうな、ということです。「DEI」と口に出したり「DEIやるぞ」と掛け声を上げることは誰にでもできますが、それを継続し、絶やさず、愚直に取り組むのは意外と難しいものです。活動そのものはボトムアップであっても、その活動をサポートする(=スポンサーとなる)のはトップダウンであるべきで、「上からと下からと」がしっかりと結びつき、かみ合った状態を作り上げることが求められます。「個人」「組織」「トップ」を貫く思想や文化を作り上げるのは骨の折れる作業ですが、前述した「従業員幸福度」を高めるためには欠かせない要素ですし、ひいてはその「従業員の幸福」をお客様やパートナー様そして社会へ還流させていく、そんな志を持っている会社ってすばらしいな、と思います。うちの会社も負けてないぞ、という方がいらっしゃいましたら、ぜひお話を聞かせてください。そして語り合いましょう。

 

さて、今月、つまり6月は世界中が「Pride Month」です。「Pride」とは、LGBTQ+の理解を広める活動全般のこと。我が社の会社ロゴも今月だけはこの活動のテーマカラーであり、性の多様性を尊重する象徴である「レインボーカラー🌈」になっています。

 

そんな中、弊社内の有志が進めているDEI活動「VMinclusion」の分科会の一つにPRIDE POD(POD = Power Of Difference、個性の力とでも訳しましょうか)というものがあるのですが、 先日、このPOD主催の社内イベントが開かれました。今回のイベントでは、女性→男性に性適合手術をされ戸籍上も男性となり、ご結婚の後2人のお子様の父親となられた清水展人さん(しみず・ひろとさん、日本LGBT協会代表理事)を講師としてお迎えし、ご自身の体験談や「自分らしく生きること」の大切さと難しさ、それを受け入れる社会づくりの重要性を訴えていただきました。イベントへはオンサイト、オンライン双方から社長をはじめ多くの社員が参加し、熱心にお話に耳を傾けていました。清水さんからは自分らしく生きることができず苦しんでいる人への強いメッセージをいただきましたが、今後も彼の心の声を発信し続けていただきたいと思います。