今クールのドラマのキーワードは「ラジオ」

今クールに放映されているテレビドラマの個人的キーワードは「ラジオ」です。

 

まず、ぼくが小芝風花推しということから放映開始前から心待ちにしていたのが、ずばりラジオが主題の『波よ聞いてくれ』(テレビ朝日)。

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原作は漫画、テレビアニメ化されたこともある人気作品の実写版ドラマとなります。髪を金髪に染め上げた小芝風花が、ひょんなことから深夜ラジオのパーソナリティーを任され怒涛のマシンガントークを炸裂させるコメディータッチのドラマですが、毎度毎度彼女の活舌の良さに舌を巻いています。もちろん実際の撮影時にはNGを出すこともあるのでしょうけれど、あれだけのボリュームのセリフを噛まずに、かつ超スピードトークであるにもかかわらずはっきりと聞き取れる発声で押し切るのは、今の役者の中では彼女か満島ひかりくらいではなかろうか、と思うくらい、圧巻です。

 

トクサツガガガ』(2019年、NHK)でブレイクしちゃったおかげもあって、コミカルな役どころを任されることが多い小芝風花ですが、ぼくはシリアスな役もできる器用な役者さんだと思っています。これから年を重ねて、より幅広い役柄を演じていってほしい、個人的期待の星であります。ということで『波よ聞いてくれ』、必見です。

 

もうひとつ、あまり期待せずに観始めたのにすっかりはまってしまっているのが、『日曜の夜ぐらいは…』(TBS/朝日放送)です。3人の主演(清野菜名岸井ゆきの、生見愛瑠)による、友情物語になっています。

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こちらの話はまずどんより「暗い」空気から始まります。主演の3人はそれぞれ異なる境遇で暗く、寂しく、「笑顔」からほど遠い暮らしをしているのですが、そんな様子を見せられる第一話は正直「んー、この話、このまま笑顔なく進行しちゃうのかな」と心配になる内容でしたが、第二話で3人の「友情」の芽生えから暖かい風が吹きはじめ、一気に没入していってしまう展開に不覚にも号泣(第二話にして、ですよ。早すぎますよね)してしまいました。「いいことなんかないさ」と半ば人生をあきらめてしまっている3人を結びつける重要な役割を演じているのが「ラジオ」。3人が偶然出会った場が、とあるラジオ番組が企画したバスツアーだったのです。物語は中盤に差し掛かるところですが、ラジオが媒介となった3人の人生の結び目がこのあとどう変わっていくのか、目が離せないオリジナル脚本のドラマです。

 

このネットな時代に、「ラジオ」というオールドメディアが重要な役割を果たすドラマが同時期にふたつも放送されるとは、不思議なものです。

 

見逃してしまった人も、TVerなどでまだ追いつけますよ!