沖縄出身の『ふたりのウルトラマン』

6月18日の深夜にNHK総合で放映された*1ふたりのウルトラマン』を観ました。ドキュメンタリータッチのドラマで、ところどころに関係者のインタビューをはさみながら、ウルトラQウルトラマンウルトラセブンの時代を背景に沖縄出身の2人の脚本家、金城哲也上原正三をめぐる一種の青春群像劇として仕上がっています。

www.nhk.jp

 

ぼくは、自分史上最高のテレビドラマは『ウルトラセブン』だと今でも思っていまして、そういう興味からこのドラマを見るに至ったのですが、今回のドラマが沖縄本土復帰50年とシンクロさせて制作されたものだとは気づいておらず、もっと言うと、金城哲也や上原正三が(返還前の)沖縄出身であること、そのことがウルトラマンウルトラセブンなどの作品の脚本にに少なからず影響していることを知りませんでした。いかんですね、似非ファンでした。

 

金城哲也と上原正三はある意味対照的な人生を歩んでいます。金城が失意の中事故により37歳という若さで命を落としたのとは対照的に、上原は「セブン」後も数えきれないほどの子供向け特撮物の脚本を手掛けて2020年にその生涯を閉じました。物語後半は人生の歯車が狂い始めた金城が精神的に追い込まれている様を描いており、見ていてつらい場面もありましたが、全体としてみると、沖縄出身者の力強さ(本土には負けないぞ!という気概)が印象深かったことと(これは『ちむどんどん』にも言えることですね)、ぼくの大好きだった『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』が生まれたときの時代背景やその制作の裏側に「沖縄」の存在があったことを知ることができ、観て良かったと思える作品でした。なお主演の金城を演じるのは満島真之介、上原は佐久本宝という、両名とも沖縄出身者というところも『ちむどんどん』に共通する部分ですね。

*1:本ドラマはBSでゴールデンウイーク中にNHK総合やBSで放映されており、今回NHK総合での放映はBS放送分の再放送です(先のNHK総合分とBS分では内容が若干異なるようです)