薄い衣がはかなげでうまい、とんかつ『世野新』(五反田)


ぼくはとんかつを衣によって大きくみっつに分類してとらえています。ひとつめは衣の色が茶色で口当たりがザクザクしているもの。これが多数派かな。次は、金色でザクザク感が弱く薄めの衣をまとったもの。三つめは目黒のとんきや上野の蓬莱家に代表される鎧のように堅くパン粉の粒子が非常に細かい衣に包まれたものです。外神田の万平も同系統と言えます。


さて、ぼくの好みはというと二番目に分類した「金色の衣」です。上野の双葉などはこのパターン。お気に入りのとんかつ丸五(秋葉原)もここに分類。やっぱ肉が主役だよね、というのがその理由で、肉を引き立てつつも謙虚に主張する衣が好きなのです。

過去の参考記事:

胃もたれ無縁、「とんかつ双葉」(上野)
とんかつ丸五の食べ方


今回ご紹介する五反田の世野新も金色系でして、お気に入りの店のひとつ。ここはお手頃価格帯のとんかつ屋で、ランチのとんかつ定食(ロース)は800円のとんかつとしてはコストパフォーマンス高いです。おそらく、肉はごく普通のものを使ってるんだと思うんだけど、十分柔らかいしロースの脂身もまろやか。そして、パン粉が少なめで金色、薄くはかなげな衣がすばらしい!


写真は1,350円の「ロース定食」。ランチのかつより厚みがありますが、基本部分は共通。


味噌汁は白。具は、とうふ、油揚げ、少量のわかめ、薬味のネギ。



白と黒がブレンドされたゴマが出てくるんですが、ぼくはあまり使いません。あとは、ご飯がイマイチなのが残念なんですよね。とんかつ定食のご飯はとても大事な役回りだと思うのですが…。


五反田だと『まい泉』のほうが人気なように思いますが、ぼくはこちらのはかなげな衣の方が好みです。黙々とかつを揚げるけど話しかけるとよくしゃべるご主人の人柄もナイス。2011年9月に今の場所に移転して、庶民派の店なのにおしゃれ過ぎる入口がまぶしい(笑)世野新です。

とんかつ世野新
東京都品川区西五反田1-32-8
03-5434-0848