極上とは何かを問うとんかつ、『成蔵』(高田馬場)


高田馬場に東京一の呼び声も高いとんかつ屋があると聞き、仕事帰りにお邪魔してきました。


並、上、特上、という具合の三段階メニューの場合、いつもなら真ん中の「上」を選ぶのですが、今回はのれんをくぐった瞬間にこの店は違うぜ感をおぼえ、一気に特ロース(霧降高原豚特ロースかつ定食 ←シモフリでもキリシマでもありません、「キリフリ」です)を注文しました。店主と思われる男性からカウンター越しに「厚みがありますので15分ほどかかりますが」と言われましたが、もちろん、よろしくお願いしますと回答。


ほどなくして「自家製マヨネーズで作ったポテトサラダ」が出てきます。とんかつで最初に箸をつけるのはキャベツの千切り、と決めているぼくとしては、とんかつの皿が出てくるまではこのポテトサラダに見向きもせず、グラスワイン白とスマホでじっと時間を潰しておりました。


さてさてそして、ようやくの特ロースさんの登場です。うむ、ぼくの好みである「黄金色で衣が軽い系のとんかつ」であるな。これは期待大です。


一口食べて、うん、はい、これはうまいです。実に匠です。芸術的なロースかつであります。


肉の柔らかさ、肉汁の保湿感、衣とのバランス、油の切れ具合、どれもが計算されつくされ技を極めた完成度の高いとんかつです。ぼくのイチオシである秋葉原の『丸五』に最初におじゃました時におぼえた感動に近いものがここの特ロースにはありました。この感覚は久しぶり。普通に偏差値をつけたら70くらいにランクできそうな、そんなロースかつです。定食には先に書いたポテトサラダのほかに山形コシヒカリ、具だくさん豚汁などがつきます。


個人的には、メニューがもっと絞られていて「俺はこれで勝負してんだ、どうだうまいだろ文句あっか」ビームを発射してるくらいの方が職人の店っぽくて好きなのですが、完成されたとんかつとしてとても美味しいのと店員の方々の対応が良いので、とんかつ好きのみならずより幅広い方々にも楽しんでもらえるお店だと思いました。おすすめします!

成蔵(なりくら)
東京都新宿区高田馬場1-32-11 小澤ビル地下1F
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