秋葉原の名店「丸五」(とんかつ)は衣がポイント


秋葉原電気街の西端、ヤマギワ石丸電気本店に挟まれた路地にひっそりと構えるその界隈では評判のとんかつ店、「丸五」。


非常に狭い店内、そして、さらに狭いであろうカウンターの向こうにはずらりと並ぶ職人さん (ぼくの見たところ、30cm間隔くらいで5人は立っていた)、という濃密な空間は、客も店側も食に集中できるという意味でなかなか良い環境です。店にいるすべての人の応対もグッド。メニューはヒレとロースの定食、チキンかつ、その他。今回ぼくが注文したのは「特ロース (1,750円)」*1


かつ … 黄金色のとんかつに使われている肉は、このクラスの "やや高め" のとんかつ屋にありがちな "上品だけど淡白" なものではなく、豚の風味*2がしっかりしたもの。肉質はしっかりと柔らかく、肉汁も豊富で風味豊か*3です。そして衣なのですが、軽やかに仕上げられしっかり肉とかみ合っているところに技を感じさせるものの、衣の油切れがいまひとつのように思えました。このあたりは、揚げてから時間をおけばいいものなのかそれとも揚げ方、あるいは肉質によるものなのかはわかりませんが、油の後味を残す格好になってしまい少し残念。この衣なのであれば、脂身の差込みが相対的に少ないであろうと予想される通常メニューのロースの方が合うかもしれない。
とんかつのタイプとしては、お手ごろ価格とんかつの雄(?)、五反田「世野新」のかつを上級向けにしたらここのかつに近づくような気がする。(その逆? -- 丸五をお手ごろにしたのが世野新なのかな)
なお、かつの下には油とり紙が敷かれ、付け合せは細かく刻んだ大葉が入ったキャベツに、レタスが数枚プラス皮むきされたトマトという構成。(野菜用ドレッシングをお好みでかけることができます)


ご飯、汁など … ご飯は正直言って普通でした。とんかつ定食のご飯としてはやや柔らかめ。赤だし汁はだしが強く利いていて風味抜群なのですが、食べ終わるころまでには少し飽きるかもしれない。取り放題のらっきょうはうれしいサービスです。


ソース … ちょっと強すぎるように思います。かつにかけるときは少な目を心がけるか、あるいはテーブルに置いてある塩でいただくのいいもと思います。


食事終わり際に狙いすましたように出されるお茶はジャスミン。油料理の後のジャスミン茶はとてもいいです。ぼくは、とんかつの食後なら日本のお茶などを出されるよりジャスミン茶のほうがいいです。


ということでどうでしょう、通常のロース定食が1,750円でいただける店 (つまり2,000円を切るとんかつ屋) としては、まずまず。素材・技の質を考えると妥当な値段感なるものの、衣の油を軽くすればポイント大幅アップでしょう。

とんかつ専門店 丸五
東京都千代田区外神田1-8-14
営業時間: 11:30〜15:00 17:00〜20:30
定休日: 月曜、第3火曜日
Tel: 03-3255-6595


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*1:特ロースは定食になっていなくて、ご飯・赤だし汁・お新香のセットを400円で追加できる。実際、ぼくもセットを注文した

*2:それを「豚臭い」というひともいる

*3:個人的な好みでは、"上品だけど淡白" な肉より好きです