「SAPは何の略?」はSAPクイズのネタに


SNSなどをプラットフォームとしてユーザー関係性を生かしたアプリケーションやゲームのことを「ソーシャルアプリ」といいますが、ソーシャルアプリを提供するベンダーのことを業界ではソーシャルアプリプロバイダー、略して「SAP」と呼ぶそうです。


一方、ドイツに本社を置くSAPといえば、IT業界では知らない人はいないであろうビジネスアプリケーションベンダーの巨人ですが、ソーシャルアプリ版「SAP」と完全に同じ表記なのでややこしいことこの上ない。(アミューズメント業界にも「SAP」(サンキョーアミューズメントプラザ)がいらっしゃいますが、こちらは業界が明らかに違うので気になりません)


近い業界で同じ表記でなにが困るかというと、たとえば以下のような文章をパッとみて、これが業務アプリベンダーのことなのかソーシャルアプリプロバイダーのことなのかすぐ見分けつきます?

『SAPとして既存プラットフォームにゲーム投入しても勝ち目なさそうだし、ソフトバンクZyngaを使ってモバイルゲームのプラットフォームを作るのでは?』

Zynga」って文字があるのでソーシャルアプリかもなー、と読めなくもないですが、Zyngaにあまり関わりのなかったIT業界人の目には「SAP」と「プラットフォーム」という並びはごく自然なもので、「何? SAPがNetWeaver*1上でゲームを構築?」と一瞬目を疑ってしまいます。


さらに話をややこしくさせそうなのが、SAP自身も「Friend Network Optimizer」というソーシャルアプリを提供している点。もっと言えば、コラボレーションツールとして提供している「SAP StreamWork」もソーシャルアプリの一種と見れなくもない*2し、一方でSNSの代表格mixiも自身のサイトでSAPという呼称を使ってたりで、なんだかもう大変。


そんな中、ツイッターで「SAP」をキーワード検索していて気付いたのですが、「SAP」をソーシャルアプリ語として使っている外国人の発言を見かけないのです。ここ数日ざっと見てただけですし24時間ツイッターを眺めているわけではないのでもしかすると外国人の中にもソーシャルアプリ語として使っている人がいるのかもしれませんが、”social application SAP” などでググッて出てくる英語情報では「SAP」はすべてビジネスアプリケーションベンダーとして引用されていますし、ソーシャルアプリの巨人と名高いZyngaを使って試しに “Zynga SAP” でググってもソーシャルアプリ語としてのSAPに言及する英語ページはヒットしません。


ということで、もしこれが日本の方言ならば、使ってらっしゃる方々はちょっと考えていただけたらなぁと個人的には思います。非常に近い業界に、40年近くにもわたって社名として名乗っている有名企業がいるのですから。


なお、ビジネスアプリの方のSAPですが、「SAPって何の略?」という問いかけを時折耳にします。実際SAPは、ある3つの単語の頭文字なのですが、上手にググればヒットしますので知りたい方は探してみてください。

*1:SAPが提供するプラットフォームソフトウェア

*2:厳密には違うと思うけど、この際細かいことは置いておいて..