それでも私は福袋を買う


私は福袋を買ったことも今後買うつもりもまったくないのですが、世が不況でも(不況だから?)年始の福袋合戦は相変わらず熱いようです。


最近では内容物を公開するネタバレ福袋もあるようですが、「中に何が入っているかわからないけどとにかく標準価格より大幅に値引きされている商品(主に趣味性が求められるはずのもの)が詰まった袋状のもの」が福袋の定義だとして、私がこれを買わない理由は、

  • ほしいモノがまず先にあって、次にその価格はいくらなのか、が購買の検討順序であるから
  • ブランドあるいは製造元がどこであるかはその商品の価値を判断するさいの要素のひとつではあるが、そのモノ自身がどんなものであるかが何より大事で、ブランドはあくまで付加価値であると考えるから
  • ただし、日用必需品や消耗品など値ごろであることの優先度が高いものについては当てはまらないこともある


からです。えらい当たり前のことを書いていますが、福袋に走る人と自分の違いは3点目のポイントの受容範囲にあるのかな、と思っています。ありていに言えば、「こだわり」の範囲ですね。私は、モノの価値(金額以外の部分)は自分が決めるものだと信じているので、ドコソコのブランド品だからというだけでは価値はほぼゼロ。


私だって、ある商品が自分の気に入ったブランド発のものであればそのモノの価値は上がりますし、あるいは「日本製」と明記されていれば国外製のものと比較してなんとなく安心感があったり(←日本製が安心にたるものばかりかというとわかりません。あくまで印象の話です)します。でも、日本人*1ももう少しモノにこだわってもいいんじゃないかなぁ、と思います。モノにこだわることは、自分の外側ではなく内側に価値観や判断基準を築くことにつながります。これだけ豊かで便利な国に住んで選択肢も多いのですから、自分自身の目をしっかり持てば趣味の世界だけでなく、仕事も、社会ももっと良いものになるんじゃないかなあ。だから私は、購入した後にそのモノの価値の決まる福袋は買いません。


ただ、福袋にはおトクかどうかという以外に、一種のくじ的な要素もあると思います。それを楽しみで買う --- ハズレも大いにありうることを覚悟で買う --- のであれば、他人がとやかく言うことではありませんね。貧乏性で宝くじすら買えないぼくにはちょっとわからない感覚ですが。。。

*1:海外に暮らしたり正月を海外で過ごしたことがないので正確なところはわかりませんが、福袋って日本だけの習慣なのでは?