ちょっと気になるIBMの「A SMARTER PLANET」

saitokoichi2009-03-02



退職以来あまり頻繁にウェブサイトをチェックしなくなっていたため気づいていませんでしたが、IBM が新しいキャンペーンを始めたようで。(今ごろ気づくな!と箱崎方面からしかられそうですが)
特定の製品やブランド向けではなく、コーポレート全体のキャンペーンです。


キーワードは「スマート」、かな?


とくに新しい視点や斬新なメッセージがあるというわけではありません。少し前だと「フラット化」と呼ばれたり最近だと「クラウド化」などと時代によって言葉を変えつつある、とどのつまりは『デジタル化とネットワークが世の中を変える』ってメッセージの 2009年版 IBM 流。世界は「機能化」され、それぞれが「相互に接続」され、そしてすべてが「インテリジェント化」していく、という三つの要素によって世の中は「スマート」になり、さまざま問題が解決されより良い世の中になっていくのです、というメッセージ。昨年一瞬、「グリーン」な方向に行きかけた IBM が、世界不況の中でグリーンじゃウケないだろうと議論したのかしなかったのかはわかりませんが、とにかく、今年のコトバとして彼らが考え出したのが「スマート」だったんでしょうね。


カナで「スマート」などと書かれちゃうと正直イマイチだなあとは思いますが、タグラインとして使われる「A SMARTER PLANET」は悪くない。"PLANET" っていう言葉は、この文脈で日本語にするのは難しいけど、"world" などと比較して、動植物やあらゆる自然をも含んだ言葉として聞こえるためはるかに良いです。


私の見た雑誌広告は見開き2ページ。左ページは地球のイラスト*1とちょっとしたメッセージだけが置かれており、文字は右ページにほぼ集中。その右ページ、ニ段組になっていて左段がメッセージで右段は何と言うか、実例っぽいことが書かれています。右段はがんばってるんだけど残念ながらあまり大したことはなく、一方で左段のシンプルなメッセージの方はそれなりに好感が持てます。上述のようにすっごいことが書かれているわけではないのですが、文体がおだやかで、さっぱりしていて、そして明快。それらは、以下のまとめの文章に表れています。

ITが、一見コンピューターとは思えないものにも応用されている現在、ヒト、モノ、プロセス、サービスのすべてがデジタル化され、ネットワーク化され連携しつつあります。これこそが、スマート化を意味するのです。


キャンペーン全体としてはちょっとCSR入ってるのが鼻にかかるけど、最近見た企業の広告キャンペーンの中ではかなり目を引く方ですね。


最後に IBM のロゴについて。広告では、「THINK」という、IBMer なら ABC を習う前に教わる重要な単語の横に、おなじみの IBM ロゴが縦に置かれています。これまで IBM ロゴをこのような使い方をしたことって、あったのかな? IBMはブランドを非常に大事にする会社だから、この縦置き作戦はほんの出来心で、、、なんてことじゃなくて明確な意味があるはず。

*1:これがまた、いかにもグローバル企業が作ったというのがバレバレ。どう見てもアジアパシフィック地域版の地球儀で、東ヨーロッパの端っこあたりから日本までをカバーする角度で描かれています。日本人としては日本を真ん中に置いて欲しかったけど、まあこの辺が限界ですかね。試しに北米の同キャンペーンページを見てみたら、予想通り南北アメリカ大陸がドドーンと書かれていました。(正確には大西洋が中心)