ファイルをめぐる冒険


一瞬、「IBMMicrosoftではなくLotusを買収した理由」に見間違え「なぁにをいまさら。。。」と思ったブログエントリー『What is the reason to choose IBM Lotus over Microsoft』ですが、興味深かったので引用。


話は、コラボレーションとかコミュニケーションといった世界についてです。ブログ主のEd Brillは、「ファイル中心か、人が中心か。それがMicrosoftとLotusの違いだ」と言います。


そうですね、Microsoftの世界では情報の単位はあくまでファイル。一方Lotusの世界ではファイルという概念は通過して、よりコンテキスト中心です。ここでのコンテキストとは、情報そのものと属性そしてそれを作りだした「人」のこと。


その点だけで言うと、単純にどっちがいいとも言いきれない部分はあります。ファイルの世界観しか持っていない人にとっては、ファイル中心世界は何の違和感もないしある意味単純で簡単。たとえば、「えー! Lotus Notesのメールメッセージって、ファイルとして保存できないの?」*1とか驚かれるわけです。一方、コンテキスト命のLotus派は、「ファイルなんてめんどくさくて非効率なもの、情報共有に不向きだよ」と考えます。


でも、コンシューマーの世界からビジネスの現場へもじわじわ浸透を始めている「ソーシャル」のうねりにはファイル中心世界は乗せづらいんじゃないか、と思ったりします。FacebookだってツイッターだってSNSだって、えーい、サイボウズLiveのようなコラボレーションの場だって、ファイルは従属物にすぎません。主役じゃない。「人」が中心となって、その人が何を言ったか、何をやったか、どう考えたか、何を選んだか、、、といったイベントが記録され、それらが関連し合うことによって情報や時を共有しコミュニケーションし、そして新たな価値が作られていく、という世界。。。


あくまでトレンドになぞらえてぼんやり考えてみただけのことであり、次の主戦場は必ずソーシャル的なものになる、と言いたいわけでもありませんが、今後は両者の個性の違いがこれまでより明確に出てくるんじゃないかなあ、と感じます。

*1:どうやらNotesの最近のバージョンからファイルとして保存できるようになったらしい