見守りましょうクラウドバトル、IBM 対 MSFT コラボレーション編


IBMが1月にお披露目した「LotusLive」というクラウドサービスについて以前コメントしたことがありますが、Microsoft も「Microsoft Online Services」で応戦してきました(うお、こう並べて書いてはじめて気づいたけど、どちらかというと LotusLive のほうが キャッチー・MS 的なネーミングで、Microsoft Online Services のほうが 朴訥・IBM 流な名づけ方である不思議)


Microsoft の同サービスは、「メールとスケジュール」、「共有フォルダー」、「ウェブ会議」、「リアルタイムコミュニケーション」の4シリーズ (それぞれ名前が与えられてますが覚えづらいんで書きません) と、左記が "全部入り" となっている「Microsoft Business Productivity Online Suite (BPOS)」といういまひとつパッとしない名前のスイートという商品構成。


正直、この Microsoft のサービス範囲では機能的に Lotus 版との違いはあまり出ない気がしますが、いや、彼らのことだからむしろ表面上の使い勝手は Lotus より上かもしれないので、IBM もオチオチしていられないでしょう。Microsoft はこのサービスで SLA を明確にして、約束どおりのサービスが提供できなければ返金するという、強気とも誠実とも取れる姿勢で臨んでくるようで、真面目度は十分と見えます。商売の規模はどうでしょう。比較的小規模の企業が使うというケースも想像できなくもないですが、むしろそちらは市場としてはそれほど大きくなく、むしろ狙い目はスケールメリットが出そうな大企業。実際、サービス提供者もそのようにコメントしているようなので、国帰りを着々と進めるサイボウズもまだまだがんばって行けますね。


最近、「不況時の(効果的な)IT投資ってどうよ」ということを考える時間を業務の一環として持っています。「IT投資」と一口に言っても、「企業活動のどういった部分にIT投資をしていくべきなのか」(アプリケーション、あるいは使うモノについての話)、という視点と、「IT管理をどう計画していくか」(インフラの持ち方、管理のしかた) という両方の側面から考えることが必要だと思うのですが、上述の LotusLive や Microsoft Online Services はクラウドサービスであり、ユーザーはアプリケーションとインフラをちゃんと両方合わせて考えて選択していくことが求められるわけです。しかもこの領域の一部はミッションクリティカル*1なサービスなので、ベンダー側の総合力とユーザー側の包眼*2力が入り乱れる IT の新しいステージが登場した、と言えるのであります。

*1:Gmailが止まってみんな鬼の首とったように大騒ぎするでしょう?

*2:注: こんな日本語はない。「包括的に見る眼」を「包含」とかけただけです