製品名、機能名はユニバーサルで考えよう


栗原潔さんのブログでも指摘されていますが、先月末ロータス (IBM) より発信された「Lotus Connections」、「Lotus Quickr」のプレスリリースで "ドッグイア" という言葉が使われています。ドッグイア (dog ear) は、ソーシャルブックマークとほぼ同義らしいのですが、どうもしっくり来ませんね。

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(「ドッグイア」について。日本IBMプレスリリース文より)


栗原さんも指摘しているように、まず、「ドッグイヤー」と似た発音なのでややこしいことこの上ない。加えて、"dog ear" をカナにしたところで日本人にはよくわからない。まったく馴染みのない言葉ならまだ良いのですが、"dog" というとってもポピュラーな英語が混じっているためかえってわかりづらい。どうして素直にソーシャルブックマークと呼ばなかったのだろう? (社内は "social" じゃないから、かな??)


こういうちょっと腑に落ちないネーミングを見ると、製品/機能の名づけ方はよく考えてくれよなー (誰とはなく)、とブツブツ言いつつ昔話を思い出してしまいます。ユニバーサル・ネーミングとでも言いましょうか。


その昔 Lotus Development (IBM) は、Java アプレット・スイートである「eSuite」っていうのを発売していた時期がありました。この製品、開発段階では「Kona」というコードネーム*1で呼ばれていたのですが、正式名称の候補のひとつに、日本語で発音すると (あまりクールとは呼べない) とある動物と極めて似ているものがありました。本国の外人も入った開発部門の会議にいおいて、「これって、日本では XX (動物の名前を英語で伝えた) に当たるんだよ」という話になり、大変ウケていたことを記憶しています。(笑) 最終的にこの候補は却下になって「eSuite」というまっとうな名前になったから良かったものの、こういう発音に関する調査・確認って、結構大事なはずです。


だから、"dog ear" を名づけるときも、もう少し考えればよかったのになあ、と思います。(ちなみに英語ネイティブのひとは year と ear をどんなときもバッチリ聞き分けられるのでしょうかね?)
現在の勤務先でも、開発中の製品がコードネームで呼ばれていますが、どこかの国で「なんだこれ」と言われないような製品名称が与えられることを、心より願っています。

*1:当時 Lotus はハワイづいていて、ノーツの新バージョンに「Maui」とうコードネームをつけていた