ロータスへの投資はしっかり続いている


ちょっと目を離していた隙に、ロータスからいろいろ面白そうなものが発表されていたのですね。ちょうど私が香港出張で浮かれていた時期、Lotusphereにあわせて「Lotus Connections」、「Lotus Quickr」、さらには Notes/Domino 8 や Sametime の最新情報など、バシバシ情報発信されている。


Lotus Connections --- Web 2.0 時代のボトムアップナレッジマネジメントを体現した製品、と書くのが一般的かもしれませんが、もともとロータス畑にいた人々(本物のコラボレーションを知っている人々)からすると、『Lotus Connectionsは現代のLotus Discovery Server である』という見方のほうがしっくりくる。これ、かつての僚友・柳下さんの言。なかなかうまいこと言うねぇ。Lotus Connections はブログやソーシャルブックマークなど、いまネット上で成長を続けるあたらしいコラボレーション環境をビジネス(企業内)へ持ち込んだもの。Lotus Discovery Server を考えていたころのロータスは、製品名に "Server" をつけていることからも明らかなように「情報発信者が中心となるコラボレーション」というところへの踏み込みがまだ甘かったんですね。このパラダイムシフトを受け入れて再生したのが同製品。
ところでこれ、詳しく調べてはいませんが土台は Notes/Domino じゃないんだろうな。


Lotus Quickr --- これ、QuickPlace じゃないの? 上述の Lotus Connections が Discovery Server からの再生 (≠進化) とするならば、Quickr は QuickPlace の正統な継承者、ってとこかしら。Notes ユーザーは無償で使えるバージョンもあるそうですが、QuickPlace のときから言ってるんですけど利用者は全部タダにしちゃえばいいのに、って思います。Notes をタダにすると問題があるかもしれませんが、Notes の疑似体験ができる QuickPlace (Quickr) をたくさんのひと(例:うちの会社)に使ってもらって、「おお、情報共有って、コラボレーションって、こういうことだったのくわぁー」と感動する人がどんどん増えてもらいたいのです。ただばら撒くんじゃ面白くないというなら、ネット上でのユーザー利用料は無料、社内にサーバー立てるときはサーバー単位で(すごく)お安く提供、そして製品面では Notes が欲しくなる仕掛けを仕込んでおくとか。


いずれにしても、IBMさんはロータス (コラボレーション) への投資をしっかり継続しているようで、個人的な感情を抜きにしても正しいなあと思います。


なおこれらの新製品、IBMのプレスリリースは残念ながら読んでもよく分からないので(笑)、興味をもたれた方は上記柳下さんのエントリーやその他の解説記事*1から読み始めることをおすすめします。

*1:エンタープライズ2.0への道しるべ」や「インストラクター最前線」によくまとまっています。