自分のセンスで選ぼう=若者の高級ブランド離れ


高級ブランドといえば、「どうしてこんな若い人が身に付けてるの?」という光景をかつてはよく見かけました。ところが最近は若者の間で「高級ブランド離れ」が進んでいるらしい。その理由について、『「無理して高級ブランド」ダサイ 若者に消費感覚異変』という記事や関連するニュー速(『金に見合わない、価値観違う』)からは不況が遠因で若者の消費動向に変化が生じたのだ、と読み取れますが、ぼくは単純に消費抑制だけが原因というわけではないと思っています。


セレブな方々は別にして、ぼくたち一般庶民が高級ブランドを身に付けたいという心理をぼくなりに想像してみると、そこにはモノの価値判断基準を自分の中に持つのではなく外に置くという性質があるからだと考えています。「これはいい!」という純粋な気持ち(=自分自身のセンス)よりも「これはいいと思われている」という他人の評価軸の方がより重要ということ。そんな「高級ブランドの安心感」をお金で買う人が日本には多かったのではないかと思うのです。そうでなければ、なんでもない普段着にヴィトンのバッグ*1を下げたりなどできないはずですから。若者の場合、大人への憧れと左記心理の両方が混在していたというのが従来の形。


そういった「基準を外に置く」という性質が、ケータイやネットによって変わりつつあるというのが、今回の若者の高級ブランド離れと少なからず関係しているのではないでしょうか。ネットと、そこへのアクセスデバイスとしてのケータイが私たちのコミュニケーションのあり方をフラットなものへと導き、より「個」が立つ時代へ変革していく中で、他人がどういおうと自分は自分だし、自分がいいと思うものは他人様にとやかくいわれる筋合いはない、というマインドが生じてきているのではないかと思っています。大人はもう、、手遅れかな?

*1:あの「L」と「V」をあしらったロゴが並んでるだけのバッグなんて、デザイン性よりも「ヴィトンであること」そのものが価値の大半ですよね