ザ・みそかつ (矢場とん@名古屋)

saitokoichi2008-10-02



名古屋出張の足で、みそかつで有名な「矢場とん」本店(矢場町)へ。ちょっと前、国境をまたいだニュースとなっていたあの店ですね。


いまや銀座にも支店があるのに、そして名古屋の駅地下にだってお店があるのに、知人のすすめもあり、地下鉄を乗り継いで矢場町にある本店を矢場とん初体験の場としました。


注文したのは「鉄板とんかつ」。熱した鉄板にキャベツを乗せ、その上にとんかつを置き、みそだれを全体にかけたものです。焦げたキャベツにみそだれがからんだ様は、香りも食感もお好み焼き風。

  • かつ … 大変おいしいと思います。高級な味ではありませんが、脂身が適度に入ったロース肉は柔らかく(うまく使えば箸で肉が切れます)、衣の具合も軽く、素材のよさが感じ取れます。みそだれに負けない、立派な主役です。
  • みそだれ … "とんかつ" と "味噌" という濃いもの同士の組み合わせながら、食後にしつこさが残らないところに職人魂を感じます。濃さとか使っているダシとか香辛料とか、たれに関するすべてのものが、料理としての「みそかつ」総体に究極的なバランスを与えているのでしょう。拍手。ただ、たれの味そのものはある意味「予想通り」でした。これって、はじめてニューヨークに行ったときに覚えた感覚に近いのかもしれない。「みそかつ」とか「みそだれの類」がそれなりに広まっていて、ぼくの舌には「一般的なみそだれイメージ」がすでに完成していました。だから、矢場とんさんにはガツンという何かを期待していたのですが、そういうものは特に感じませんでした。もちろん、おいしいんですよ。でも、それは「想定内」のものだったのです。
  • その他の役者 … ご飯、漬物、味噌汁の味は、正直重視していないな、と感じました。あくまで、みそかつで勝負、それもアリだと思います。


普通に食べれば千円少々ですから、ちゃんとしたとんかつ屋としては決して高くはないです。その意味で、バランスのいい、そして (おそらく) 飽きの来ない味なので、「みそかつ食べたい」という人へは、まず最初におすすめするでしょう。お店の雰囲気もアットホームな感じで良かったですし、良いものを出す、良い食事処です。