はじめに断っておくと、ここでは担々麺の厳格な定義にはあまりこだわっていません。「唐辛子が混じった胡麻ベースのスープ麺」という程度のくくりでとらえています。
で、本題。箱崎「T-CAT」にある中国料理店、『龍鳳』。ここの担々麺はとてもおいしい。(場所はここの一番上の店)
メニュー上、担々麺は「ひき肉」バージョンか「えび」バージョンの二種類*1あって、いずれも 900円。小ぶりなどんぶりの中には、麺、スープのほかに左記の「ひき肉」または「えび」と青菜が少々。以上。きわめてシンプルな作りなのですが、私の知る限り、千円以内で食べられる担々麺ではここがもっともおいしい。T-CATなどというちょっとマニアックな場所にあるためか、昼時ともなると近隣にあるIBM箱崎事業所の社外社員食堂*2と化してしまい、客層にあまり一般の方々(?)はいらっしゃらないようですが、ぜひとも多くの方にご紹介したいお店です。ただしお昼時は大変混雑しますので、並ぶのを覚悟で行きましょう。混雑時は店先で名前を告げるとファミレスのような「順番待ちシート」にエントリーされますので、あとは店の外で待っていても大丈夫*3なシステムが導入されています。
店自体は普通の中国料理店なので担々麺以外のメニューもそこそこそろっているのですが、ランチタイムにテーブルに並ぶのは八割方この担々麺ではないでしょうか。そう、大半の客は、ここへ担々麺を食べに行くのです。
なにがおいしいって、そのスープ。極上のコクを持つ胡麻スープには、とってもいい色をした粗挽き赤唐辛子が程よく落ちていて、目と舌と鼻をうならせます。担々麺といえば「辛い」という印象がありますが、ここで出されるそれは唐辛子より胡麻スープのコクが勝っているため、思ったよりは辛くありません。ラー油を使って辛さを出すようなこともしておらず、濃厚なわりには胸焼けする脂っこさもありません。麺は何の変哲もないものですが、ここでは間違いなく主役であると断言できるスープを邪魔するほど主張はせず、かといって、マイナス加点されるほど悪いものでもなく、なんとも絶妙なバランスを保っています。欲を言えば、箸休めにもなる青菜がもう一声多めに入っているとさらにいいのですが、それでも、全体として完成された究極の「千円未満担々麺」であります。