センスとこだわりが最高レベルのつけ麺、『基玄』(北浦和)


>注: 店主が体調を崩されたとのことでしばらく休業されていましたが、2015年9月より「二代目基玄」として新たなメンバーで再開しているようです。ネットの情報によれば味もメニューも以前から変わったようだとの話も聞こえてきますが、ぼくはまだ「二代目」を訪問していないため以下の記事は「初代」に関するものとご理解ください。


北浦和にはとてもおいしいつけ麺屋さんがあります。その名も『基玄』。実は、何度も訪れているのについ最近までこの店名を何と読めばいいのかよくわかってなかったのですが、今日お邪魔しましたら自動食券販売機の脇にあった貼り紙に「きげん」とふりがな付きで店名が書かれておりました。


ここのつけ麺は、しっかりとした太麺と濃厚なスープが特徴ですが、プロレス的筋肉系がっつり主義なつけ麺ではなく、絶妙なバランス感覚と繊細なセンスを感じつつも骨太なこだわりが貫かれた仕上げとなっておりまして、ぼくの中ではかなりの高ランクに位置するお店です。


基玄の麺は、しっかりとした歯ごたえがあるやや色黒の極太。ぼくは、つけ麺の麺は色白で表面ツルツルのどごしスバラシなタイプを流れるように食べるよりも、ざらつきがあって歯ごたえ十分な極太タイプをしっかり噛みこんでいただくのが好みです。つけ麺とは、そういう食べ方をするためにラーメンとは異なる麺ものとして存在し進化してきているのだと勝手に信じているのです。基玄の麺は最高レベル。


スープは濃厚魚介とんこつ系ですが、「濃厚」さも「魚介」風味も「とんこつ」味も、どれかが立っているわけではなく、高次元にバランスされています。お互いがぶつかりあったり打ち消しあったりせず、見事に馴染んでいるのです。濃厚さについても、油やでんぷん系などを使って「濃厚にすることを目指した」後付け的な濃厚さではなく、乾いた粉あるいは繊維質などからくる比重の高い「結果として濃厚になった」スープである点が高ポイントです。油っこくなくネバネバもしておらずしょっぱくもないのに、どっしり濃厚。こういうスープを出す店はあまり多くありません。調理人のセンスが光っていますねー。


以下の写真は「玉ねぎ増し」をした辛つけ麺のスープ。スープの中にはチャーシューとメンマが沈んでいます。辛つけ麺は標準スープに辛味を加えたものですが、ラー油は使わず唐辛子味噌のようなもの(ただし塩辛さナシ)を使って仕上げており、ジワジワ来る辛さが特長のたいへんおいしいスープです。


以下は「油そば」。こちらも盛りつけ具と味のバランスが高レベルで融合しており、何度食べても飽きない味です。すばらしい。


ということでほとんど非の打ち所のないつけ麺店です。北浦和駅東口から歩いて5分。おすすめいたします。


基玄
埼玉県さいたま市浦和区元町2-2-12

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