『日曜の夜ぐらいは…』がピカイチだった

今クールのドラマで一番光ってたのは日曜の夜に放映されていた『日曜の夜ぐらいは…』ですね。人生に息苦しさを感じている人たちへの希望というか清涼剤というか、あるいは明日への元気が湧いてくる、そんなドラマでした。

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アウトラインだけ描いてみれば、人生を楽しむことからは程遠い日々を送っていて幸せなを自ら遠ざけてしまうような苦しみばかりの日々を過ごしていた若者たちが、ありえないような幸運と偶然によって友と助け合うことの喜びや今日をひたむきに生きる楽しみ、そして何より「人生が楽しい」と思える生活を取り戻す、っていうちょっと大人向けの青春ドラマなのですが、オリジナル脚本のすばらしさと演出、そして演じているすべての役者さんのまるで本当にそこに生きているかのような演技に毎週引き込まれて観ていました。映像から醸し出される空気感も上級で、映画クオリティだなこれはと感動。

 

この作品は、「泣き笑い」とはよく言いますが、かなしい泣きではなくうれしい泣きを、可笑しい笑いではなくうれし泣きをもらえる、そう、一言で言えば、何かと「うれしい」物語なのです。

 

日々元気いっぱいエナジーバリバリな人には響かないかもしれないし、ドラマにおける伏線と回収に飢えてる視聴者にはまったく物足りないストーリーではありますが、現代の何か疲れた人々、モヤモヤを感じて生活している人、大小を問わずなんなかの不幸を背負って生きている人たち、そんな誰しもが感じているかもしれない現代の閉塞感にちょっと小さな穴を開けてくれる、開放の糸口をくれる、そんな心温まるドラマでした。

 

ラストシーンでの主人公岸田サチ(清野菜名)の以下のセリフがこのドラマにおいて象徴的でかつ印象的です。

 

「今、2023年=令和5年にこの世界に生きてる人は、みんな傷だらけで戦ってる戦士みたいなものだと私は思う。全ての戦士達の心に休息を。せめて日曜日の夜ぐらいは」、「皆が一度深呼吸できますように。でないと、戦えないよ…どうかよろしくお願いします。戦士代表岸田サチ」。