今クールのドラマが意外とおもしろい


ここのところ傑作続きだったNHK大河ドラマが今年は一休み感満点だし、毎回号泣コースだった『ごちそうさん』も終わってしまったため、民放ドラマを見る時間が増えてます。最近のテレビドラマは警察ネタか医療ものばっかりだ、とおっしゃる方もおられますが、今クールは見事にそんなのばっかり。でも、今回は快作ぞろいですねえ。ぼくのお気に入りは以下の作品です。こんなにたくさん観てるのは何年ぶりだろうか。


『MOZU』http://www.tbs.co.jp/mozu_tbs/
これはぼくが語るまでもないですね。はっきり言って金かかってますクオリティ高いっす、という西島秀俊の警察陰謀もの。第一回のクオリティの高さに圧倒され、日本のテレビドラマであることを忘れて見入ってしまいました。わざとそういう仕立てにしてはいるのですが、毎回映画を観ているようです。役者もみなすばらしく、タバコ描写の煙たさも忘れるほど、緊迫した密度の高い作品です。

香川照之演技うま過ぎ。


『BORDER』http://www.tv-asahi.co.jp/border/
捜査中の事故がきっかけで死者(殺人事件の被害者)と交信ができるようになった刑事・小栗旬のお話。物語設定は安っぽいものの各回のストーリがなかなかよく考えられていて、刑事物特有の煙たさもなく、楽しめる作品です。設定が安いのに内容が結構おもしろいという意味では『デスノート』を思い出します。

青木崇高がああいう脇役なのはもったいないなあ。


アリスの棘http://www.tbs.co.jp/alice2014/
他の作品と比べると大きな特長のない普通な医療復讐ドラマではあるのですが、上野樹里はこんな役もできるんださらに好きになったぜ感を得るために毎回観ています。

國村隼見事です。


ロング・グッドバイhttp://www.nhk.or.jp/dodra/goodbye/
タバコが煙い私立探偵浅野忠信のやくざな生き様を描くロマン派サスペンス。謎解き要素もあって飽きずに観られます。このキャストなら雰囲気をもう一声重たくしてもいいんじゃないかと感じるものの、そうすると本気のやくざ作品になってしまうためほどほどのところで視聴者層を確保しているのだと思われます。

太田莉菜これってもしかしてハマり役でしょうか。


ブラック・プレジデントhttp://www.fujitv.co.jp/b_hp/black/
刑事物、医療ものではありませんが、今クールの隠れた傑作だと思ってます。ブラック企業名高いとあるアパレル会社社長の沢村一樹がゆとり系な大学生との交流を通じて、働くとは何かを考えさせるドラマです。
でもぼくがこの作品を気に入っている理由は、人のことブラックだなんだと揶揄してる割に自分もブラック化してないか?というシニカルなメッセージを視聴者の社会人諸氏へ送っているんだな、と感じているから。高度成長期とはまた異質の高ストレスで息苦しいこの時代にあって、超有名企業のリーダーやカリスマ経営者の言動をもって「誰もがこうあるべきだ」的な押し付け論で勝者だ敗者だ、正しいの間違ってるのと単純な白黒をつけるたがる社会の雰囲気、ライフワークバランスや精神面の安定を崩すことにになりかねないこういった行き過ぎた画一的なものの見方に対してこのドラマは皮肉を言っているんだと思ってるんですが、考え過ぎかな?

門脇麦が本名ってのもすごいが山本久栄とのギャップが大きすぎます。


しかしここのところ、遠藤憲一有村架純吉田鋼太郎、みなさんドラマ出過ぎでは?