マナー違反と着こなしについて


「ワイシャツの襟元から肌着」はNG』という記事を読んで、「シャツとは本来肌着である。だからしてシャツの下に肌着をつけるのは "マナー違反である"」である(らしい)ことを知らされ、へえそおなんだ、と大変驚きました。


ここで話題にしたいのはこれが「マナー違反」かどうかということ。シャツから肌着が透けて見えたり丸首の肌着がチラ見えするのはカッコ悪いというご意見は多々あるかと思いますが(特に断りなく書いていますが、一般的な男性の服装を想定しています)、ここで「マナー違反」という言葉や概念を持ち出されちゃうと、それってどうなんでしょうと思ってしまいます。


ぼくは、マナー違反というのは以下のケースにのみ持ち出すことのできる概念だと思っています。

  1. 平均的・常識的な人から見て不快に感じる所作や出で立ち
  2. 平均的・常識的な人が共通認識として持っている「マナー」から外れる行為


万国共通のものもあれば地域や国、あるいはもっと狭い範囲のコミュニティーでのみ共有される「不快感」や「マナー」もあると思いますが、たとえばわが国では、顧客との商談にサンダル履きで現れるようなケースは前者だし、路上喫煙禁止と書かれた看板の前でタバコを吸ってる人などは後者ですね。


このエントリーを書くきっかけとなった上記記事はマナーがどうこうと言いながらいつの間にか着こなしの話になっているので釣り餌として「マナー違反」という言葉を使っただけなのだと思いますが、一方、個人的には着こなしとかおしゃれとかって他人にとやかく言われたくないという思いもあったりして(注:自分にこだわりがある場合の話。こだわりがない方は他人の意見に真摯に耳を傾けましょう)、きものの着方もロクに知らない日本人の私としては、あれやこれやと書き残しておきたかった、という次第。