そろそろ「スマートフォン」は消えていいかな


気付けば、iPhoneを購入してから1年が経っていました。


正直に言えば*1ジョブズiPhoneをして「MaciPodに続く革新的な製品である」と宣言した時は、正直「ほんとかー?」と思っていました。その理由はこの製品が "Phone" を名乗っていたから。Phoneを名乗る以上、作り手側は「進化した電話」としてポジショニングし、そのように作ったと考えていました。電話という概念と仕掛けに縛られるのなら、そんなに発展はしないだろう、と。(参考記事:『iPhone は携帯電話である、ということ』)


でも実際は違った。たしかに今でも「スマートフォン」というカテゴリーは現に存在し、売り方も含めて高機能携帯電話という受け止められ方をしていますが、冷静にスマートフォンを眺めてみればその実体は電話機能よりも「アプリ」にその価値があるという、要はパソコンみたいなものなのでありました。そういう意味では、スマートフォンネットブックは「超小型ネット端末」の本質的な部分でかなり重なる概念ですが、ノートPCとの違いのあいまいさからネットブックの普及がやや足踏みをしている一方で、スマートフォンは順調に市場に浸透しています。


「電話として作ってるのなら、発展しないはず」と思っていたのにiPhoneをはじめとするスマートフォンは成長している。そして、「作り手はスマートフォンを高機能携帯電話と位置づけている」と決めつけた私の見たては間違っていました。私としては当時から「こいつは電話じゃなくて "スーパーなザウルス*2" だな」と思ってはいましたが、作り手が電話と思ってるんじゃぁね、という意味で疑問符を付けていたのです。ところが実際は、携帯電話が高機能化してスマートフォンになったんじゃなくて、宿主を探していた「超小型ネット端末」が携帯電話に目を付けただけだったのですね。


聞くところによれば、次期iPod touchはついにカメラも搭載することとなり、携帯電話回線の存在を除けばかなりiPhone 4に近い端末になりそうです。アップルは先ごろiPhone OSの名称をiOSと改め、ますますiPod touch - iPhone - iPadのファミリー化、一体化を進めてきていますが、そんな中で "Phone" という言葉が生き続けているのはとても不自然に思います。


そろそろ "Phone" という呼称も通信機能もデバイスからは切り離して、ついでにスマートフォンという呼び方もやめてはどうかな、と思う今日この頃。

*1:ここでわざわざ書かずとも全部ブログに残ってるけど

*2:言わずと知れた、シャープの多機能デバイスですね