吉野家はいろいろチャレンジしててエライ

吉野家には「オレンジ看板」の従来型店舗と「黒い看板」の店舗があることをダイヤモンドの記事で知りました。

diamond.jp

 

記事を読むとわかりますが、黒い看板の吉野家は専用メニューは存在するもののオレンジ吉野家との間に牛丼屋としての本質的な差はなく、内装の作りや専用メニューを工夫することによって「うまい早い安い」のとくに「早い」の部分を「ゆったり」(食事の提供が遅いという意味ではなく、ゆったり食事をしてもらえるような店舗作りにしている)にトランスフォームしているアナザー・サイド・オブ吉野家のようです。(ちなみに「うまい」「早い」「安い」の 読む "順番" も時代によって変化しているようです)

 

振り返ると、以前もこのブログで書きましたが、吉野家はさまざまなチャレンジをしてきています。新メニューを投入する「追加型」のアプローチではなく、使う肉からして高級なものを使い店舗の作りも高級感をもたせた「高級吉野家」や、ハンバーガー店などファストフードの基本型である注文カウンターで注文し商品を受け取って自席へ自分で運ぶというスタイルの「吉野家USA」などもそういったチャレンジの例です。

koichi.hatenablog.com

 

メニューを増やしたり入れ替えたりといった目先を変える戦法は顧客を飽きさせない(継続的な集客を確保する)とか客単価を変える(多くの場合、単価を上げる方向)点では一定の効果はあると思うのですが、吉野家の取り組みのように自らのオリジナルバリューを変革する、本質的に変化した店舗を「吉野家ブランド」の一つとしてチャレンジしていく姿勢には唸ります。

 

結果として「高級吉野家」も「吉野家USA」も存続はできませんでしたが、こういった新たな顧客価値の提供に挑戦し続ける吉野家にはブランドや企業としての「持続可能な」DNAがあるのだな、と感心します。