ヘッドアップディスプレイは便利だし不満ないよ

我が家のクルマにオプションで搭載したヘッドアップディスプレイ、とても便利で何の不満もありません。通常であれば計器盤内やその周辺のコンソール類に配置されるべき情報をフロントガラスに投影してくれる一種のAR(Augmented Reality: 拡張現実)的機能であるヘッドアップディスプレイが意外にも不評?という記事がありましたので、ぼくの実体験を以下に述べます。

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記事にある不評の理由を一言で表すと「便利さ」<「 邪魔」ということらしいですが、ぼくは邪魔だと思ったり気が散るなんて感じたことはまったくありません。これって、各車が搭載しているヘッドアップディスプレイの設計次第なんじゃないかなあ。ヘッドアップディスプレイ自体には罪はないですし、罪どころか、ぼくは「なんて便利な機能なんだ!」と感心するばかりです。技術的にはさして難しいことはしていないと思うので、要はデザイナーの腕次第なんだと思います。

 

うちのクルマの場合(BMW 3シリーズ(F30))、通常走行時はスピードをあらわす数字が表示されているだけです。まったく視界の邪魔にならない場所に巧みに配置されていている上に文字が適度に透過されているので必要な時に少し視線をずらすだけでその時の走行スピードがわかり、大変重宝しています。

 

スピード以外の要素が表示されるのは、主にカーナビで目的地を設定して走行しているとき。このモードの最中は、曲がるべき交差点が近づいてくるとスピード表記の横に「交差点の形状」「進むべき方向」「交差点までの距離」が投影されます。でもこれにしても便利でしかないです。むしろカーナビの画面を食い入るように見つめながら曲がり角を待つほうが運転に集中できないと思いますし、ヘッドアップディスプレイによる「実際の景色に重なって見える地図」のほうが断然ストレスのない運転ができます。

 

そのほかでは、オートクルーズを設定するときに設定速度が表示されたり(一定の時間を過ぎると表示は消えます)、音楽やラジオの選曲/選局をするときに曲名や局名が表示されてステアリングから手を放すことなくセレクトできたり(これもすぐ消えます)、と、要はスピード表示以外は必要な時に必要最小限の情報が投影されて用が済むと消滅する、という仕様なので、まったく不満はありません。

 

かつてクルマのメーター類がすべてアナログだったころ、メルセデスベンツのインパネでは速度メーターが1番見やすい真ん中に配置されていましたし、いまは亡きSAABでの夜間走行ではインパネ中央に置かれた速度メーター以外のバックライトを消灯させる「ナイトパネル」なんて機能があったくらい、運転時に一番大事な情報は走行スピードであり、それ以外の情報は必要な時に参照できればいいや、という設計が合理的と考えられてきました。(走り屋さんにはタコメーターが一番大事かもしれませんが…)

 

そういう意味で、通常時は速度のみを表示しているBMWのヘッドアップディスプレイはミニマルデザインで合理的な仕事をしてくれる優れもの。ちょっと手放したくない機能です。