クラウドの資格を取ろう!(Microsoft Azure編)

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マイクロソフトが提供するクラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」の認定資格のひとつ、「Microsoft Azure Administrator Associate」を取得するためには、「AZ-104」という試験に合格する必要があります(2021年10月時点)。今回、このAZ-104の試験対策本がリックテレコムさんより発売され、献本いただきましたのでここで簡単に内容のご紹介。

マイクロソフト製品に関する認定資格と言えば、「MOS」(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)が有名ですが、MOSはいわゆる「オフィス製品」~ワープロ表計算など主に個人の生産性に関わる認定である一方、企業システムの構築や運用、あるいはソフトウェアやクラウドサービスを開発するために求められるスキルをマイクロソフトが認定するのが「MCP」(マイクロソフト認定プロフェッショナル)で、AZ-104に合格することによって取得できる資格が上記の「Microsoft Azure Administrator Associate」(この資格を取得することとAZ-104に合格することは同義なので、以後「AZ-104」と略記します)で、MCPのひとつになります。

 

MCPは「ファンダメンタルズ(基礎)」、「アソシエイト」、「エキスパート」の三段階のレベル分けがされており、AZ-104は中間レベルのアソシエイトに分類されます。中間レベルとはいえ、合格するには結構ハードルが高いと言われており、付け焼刃の知識だけで臨むと玉砕すること必至です。別な見方をすれば、この資格を持っているとクラウド管理者として胸を張ることができる、とも言えます。

 

そんな難易度の高いAZ-104の合格の近道となるのが今回出版された『合格対策 Microsoft 認定試験 AZ-104: Microsoft Azure Administrator テキスト&演習問題』です。(タイトル長い!)

 

職務上、本書籍の著者のことは良く存じ上げているのですが、「クラウドを教えるプロ中のプロ」です。作るテキストもすばらしければ講義(トーク)も最高レベル、そして今回のような書籍をまとめる力もすばらしいものをお持ちの方です。前述のようにAZ-104は決してやさしい試験ではなく、また、試験範囲も非常に広いため、書籍の企画を聞いた時はいったい何ページの本ができる上がるのだろうとドキドキしていたのですが、完成品を手に取ると想像よりはるかにコンパクト(282ページ)で驚きました。さすが吉田さん(著者)、まとめ方がシンプルかつ端的で、「とにかくこの本を信じて勉強すれば合格できる!」という強い思いを感じました。

 

本の構成は、膨大な試験範囲を誇る(?)AZ-104を以下の5つの章に分けて(=試験範囲とされる大項目に沿って)解説しており、各章の最後には振り返りとして「章末問題」が付いています。

  1. Azureのアイデンティティおよびガバナンスの管理
  2. ストレージの作成と管理
  3. Azureコンピューティングリソースの展開と管理
  4. 仮想ネットワークの構成と管理
  5. Azureリソースの監視とバックアップ

そして最後の章は「模擬試験」ということで、実際のAZ-104試験と同数の65問の模擬問題がずらりと並んでいます。

 

著者が「はじめに」でおっしゃっているのですが、本書は試験対策本ではあるものの『読者が問題や解答をただ暗記するのではなく、内容を理解し、「腹落ちする」ように、わかりやすく噛み砕いて解説することを心がけました』とあり、本書を活用してAZ-104という難試験に立ち向かうための基礎体力を万全の状態に持っていっていただけたら、と願っています。基礎体力だけで合格できる方もいらっしゃるでしょうし、そうでない方もいらっしゃるでしょう。試験対策という意味では本書以外にも実際にクラウド(Azure)の管理を実体験することによってさらに「経験」という血肉がつきます。

 

知識と経験をうまく積み上げて、AZ-104の合格を目指す。そんなゴールへ向けての指南書でありバイブルになるのが本書だと思います。