Google Wave に人類は対応できるか


こういう「事件」については、感じたことをタイムリーに残しておくべきと思うので備忘録的に簡潔に。他人のコメントをさんざん見た後だと、なんか自分の言葉ににならないような気がするし、受け売りのコメントもしたくないし。


Google Wave は、コミュニケーションとコラボレーションの領域、とりわけリアルタイムコラボレーションにおいて革新的なソフトウェアであります。リアルタイムコラボレーションと言えばチャットやデスクトップ共有など「いまやっていることをリアルタイムへ拡張する」ものばかりでしたが、Wave は生まれる前からリアルタイムな正真正銘のニュータイプロータス ノーツでコラボレーション環境に革新的な環境をもたらてくれたレイ・オジーWindows Azure をクールなクラウド基盤にすることに成功するかもしれませんが、Wave を見て嫉妬しているのではないでしょうか。Wave のすべてに共感するかどうかは別として、やりたかったことのひとつではあるはずです。マイクロソフトでは守るべきものが大きすぎて、こういうプロジェクトに投資することが困難なのが彼にとっては口惜しいところでしょう。


とは言え、Wave が世界の明日を変えるかというと、確信は持てません。


ぼくたちはリアルタイムなものにまだまだ体が慣れていないからです。ぼく自身、非リアルタイムな情報共有ツールであるノーツに親しんでいるせいか、Wave をロジカルに理解できたとしても体が対応できるかどうか自信がありません。異なるツールの比較をするなと言われそうですが、Twitter が普通に受け入れられるようなってはじめて、世界は Wave への入り口という段階に立つ、そんな感覚を持っています。流れ続ける情報への対応、フラットな世界、そういった要素を持ち合わせた Twitter には、Wave と部分的に共有する before/after の境界線があるように思います。


読みかけの『デジタルネイティブが世界を変える』によれば、デジタルネイティブ世代はメールに依存していないようなので、Wave への対応はスムーズでしょう。ただ、それ以前の世代の人間にとってどうなのか。Wave は画期的だけれども、「早すぎた革新」にならないか心配しています。テクノロジーの進歩と変化はものすごいスピードで進みますが、人間の神経系の対応は相対的にスローですから。


Wave についてイメージがわかない方は、こちらのエントリーが明晰でオススメです。ご一読のほど。