プリンスに頭を叩かれた

『プリンスとデヴィット・ボウイからはじまった音楽ストリーミングサービス』というTechCrunchの記事を読むまで、プリンスが音楽ストリーミングサービスに積極的であったことを知りませんでした。


彼の訃報が伝わった時、またひとつ貴重な宝が地上から消えたという想いで残念で仕方がなく、アルバム『Purple Rain』を車の中で大音量したりもしましたが、それは、居間のラックから取り出したCDを車のオーディオシステムへ挿入して耳へ届けたサウンドでした。記事によると、彼が最初にストリーミングサービスに表立った動きを見せたのは、ファンのために2001年にスタートさせたオンライン購読型の音楽クラブ「NPG Music Club」」だったといいます。思い返せば、デビューアルバム『For You』から始まってぼくが熱心に彼の音楽を求めていたのは1991年の『Diamonds & Pearls』まででした。彼が来日すると聞けば東京ドームのライブに連日足を運んだりしたこともありましたが、90年代以降は音楽トレンドそのものに無頓着になってしまい、彼のストリーミングへの取り組みに気づくこともなかったのです。


そんな調子なので、今でもぼくは、ストリーミングというものに慣れ親しんでいません、いえ、使っておりません。音楽があれば生活が豊かになるとは思いつつも、月何百円かをケチっているわけで、まあ、なんという寂しい心。。。


デジタル変革の時代には、それに相応しいアートとの付き合い方があるはず。かつては実現しえなかった利便性だけではなく、消費者とアーティストの関係性もまた、デジタルによって大きく変化しているはず。それを体験もせずに遠ざけちゃいかんですよね。老いというのは好奇心の減退によって進行するものだと思っているので、ちょっと頭を切り替えて飛び込んでみますか。