JR神田駅前のごちゃついたエリアを抜け、うっかりすると見逃してしまうような小道を曲がったところにひっそりとたたずみ、うまいものを出すお店、それが『宿場』(しゅくば)です。
格好をつけるなんて言葉とは無縁の店内は、明るすぎるのではないかと思えるほどの照明、談笑する客の声、気さくな店員のおばちゃんと板前さんの掛け声が行き来する、昭和世代の私たちがどこかほっとする、そんな飲み屋です。
メニューはくるくるっと丸めてグラスにささってます。言っときますけど、どれを注文してもうまいですよー。
さてまずは注文注文、とおばちゃんに声をかけると、おもむろに伝票とペン(以前は鉛筆だったような…)を渡されます。宿場では最初のオーダーは伝票に自分で記入するというシステムを採用しているのですが、二回目以降の注文はおばちゃんの方で取り次いでいただけるので記入不要。
ほかにもユニークなところがあって、たとえばこれは「ウイスキー(W)」。「水割りで」と注文すると、ダブルフィンガー(注:昭和ことば)相当量のウイスキーとコップ一杯の水が出てきておしまい。この店ではなぜかウイスキーの地位が低いらしく、ぞんざいな扱いです(笑) ちなみにウイスキーはもちろん、サントリーオールド。
※補足:この日は他にお客がいないという貸切状態だったためか、氷が出てくるというスペシャルサービスがありました(笑)
さてここから先は、私がかならず注文するお料理シリーズ。
鳥豆腐。水炊き風のあっさり味で、白菜はトロトロ、胃袋に染み入る感覚が忘れられない逸品です。寒い日はとくにうまい!
はまぐりの酒蒸し。これはもう、言うことありませんね。日本人に生まれて本当に良かったと心の底から思う瞬間です。
お刺身がどれもうまい! その日のおすすめをアレンジしてもらいながら盛り合わせを注文します。
いやあ、今回もうまかったなー。しかもリーズナブルなお値段で、大満足。
神田に生きる、昭和な飲み屋。門前仲町のパワーにはまったくかないませんが(笑)、この手の店が好きな方にはきっと満足いただけるはずです。