会社の同僚から東京の豚丼の店リストが突然ドカンと送られてくるなり片っ端から行くぜ的なモードになっておりまして、第一弾としてオフィスから比較的行きやすい御茶ノ水の『豚野郎』に行ってまいりました。
狭い階段を三階まで上ったところにあるお店はカウンターのみ、10席そこそこですかね、狭くて密度の濃い空間です。学生街ならではのガッツリ感のある空気が張りつめています。
まず、入り口の券売機で食券を買います。並んでいるときに食券購入を促されたので、てっきりすぐに肉を焼き始めるのかと思いきや、作り置きはしない主義なのでしょうか、どんなに店の外に客が並んでいても調理を始めるのは客が席に着いてからにしているようでした。
てことで、手頃なお値段でいただける丼物なのですが、注文後に少し待つことになります。この待つ間を無駄に過ごしてはいけません。待ち時間中にすることと言えば、カウンター越しに煙と火と肉とタレを思う存分見つめることでしょう。スマホをいじって待つなどもってのほかです。ご主人の仕事を凝視し、脳内をよだれ浸しにしましょう。
そして、来ました。豚丼、、、北海道のアレです。濃いめのタレをからませて焼くパターンのやつです。
味はもう、説明はいりませんね。この写真通りです。香ばしいです、甘苦いです、柔らかです。至福の時間。鰻が高値になってからはうな丼をいただく機会が減っているのですが、このタレの焦げた香りはもう、蒲焼のそれであります。目をつぶればなつかしのうな丼、口に運べば紛れもない愛すべき豚丼。あえて食べ方に持論をぶっかけさせていただきますと、この豚丼はゆっくり味わっていただくものではなく、どんどん口に放り込みましょう。焼きたての香りが湯気に交わって肉から立ち上るその状態をキープしたまま味わうのです。頭で考えず、舌と鼻で感じて短時間でいただきましょう。
ぼくがいただいたのは並盛り680円。小盛りや大盛りもあります。サイズだけ見るととても大盛りなんて食べられそうになかったのですが、並盛りをいただいたあとの感触では、大盛り普通に行けますね、これ。