高田馬場にとんかつあり!と認識を新たにしたのが先日お伺いした『成蔵』でしたが、他にもとんかつの名店があるとの情報を頼りにお邪魔してまいりました、『とん太』。
のれんをくぐると、狭めの店内はなんとも言えない活気と暖かさ。十席ほどの小ぶりなカウンターの中でご主人が黙々とかつを揚げています。客はみな笑顔で、こりゃうまい料理を出すんだなってことがわかります。
メニューはシンプルで、「特」と「上」それぞれにロースとヒレ、ミックスフライがラインナップ。特でも上でもない「並」メニューはランチ限定のようです。丼物もありました。
カウンターの上に塩が複数種類あるなあと思っていたら、こんなメッセージが。
…と、その辺を見渡すとたしかに塩のほかにもケチャップやらコショウやらも置いてあります。
とんかつを注文して待つ間にお新香やゴマが出てきます。そうそう、味噌汁は豚汁、わかめ、しじみから選択できるようになっていて、注文時に聞かれます。ぼくはしじみを選びました。
ということで今回注文したのは特ロース2100円。
黄金色の軽めの衣はぼくの好みであります。やや横長のロースには包丁が多めに入れられており、先ほどのメッセージにあるようにいろいろな味が楽しめるようになっています。
お肉はこんな感じ。
さらにこんな感じ。
見た目通り、衣は軽くて口に入れるとサッと身を引いて主役のお肉にセンターを譲ります。そのお肉、しっとりやわらかく豚の香りがあまり立っていない、同じ高田馬場『成蔵』や秋葉原『丸五』系のかつですね。うまいです、匠です。カウンター越しに鍋を覗いてみたのですが、これがびっくりするほど小さな鍋で揚げていました。深さはほどほどある、ものすごく年季の入った小さな鍋で丁寧に仕事してました。
高田馬場にこんなにもとんかつの名店がそろっているとは盲点でした。シンプルな構成のメニューに自信とプライドが見える、そんな芯を感じさせるとんかつでした。