恵方巻さんの未来


ツイッターを見ていると、今年は恵方巻さんが結構かわいそうなことになっているみたい。「(値段が)高い」、「売れ残りをたたき売り」、「そもそも何これ」、などなど…。去年はこんなにネガティブな風は流れてなかったように思うんだけど。


恵方巻を食べるという行為が古来からある由緒正しきイベントでないことは定説だとしても、だからと言って楽しんじゃいけないという話に持っていくのはちょっと乱暴。楽しみたい人が楽しめばいいんじゃないの、とぼくは思います。クリスマスだってそう。宗教的なことは二の次で浮かれてる人が多いけど、それでみんながハッピーになれるならすばらしいイベントであり、「日本以外じゃクリスマスにフライドチキンなんて食べない」なんてこたー、どーでもいいわけです。誰に迷惑かけるでもなし。(「神への冒涜だ!」とおっしゃる方がいらっしゃるのであれば、ちょっと考えなくちゃいけないかもしれないけど…)


で、今年の恵方巻さん。ちょっと時代の流れがよくなかったということもありそう。例の「おせち事件」で火がついちゃった、新興クーポンサービスのあまりにも急激な盛り上がりと数々の悪行*1。これらの騒ぎのおかげで、ぼくたち消費者は「値付け」というものに敏感になってしまいました。「正価って何だ」「これ二重価格じゃねーの」とか、とか。実際、恵方巻の中には、通常販売している太巻をラッピングだけ変えて値段を倍以上にしてる例もあったようで。


とどのつまりは、売る側も消費する側もイベントとして楽しむことを忘れなければみんなハッピーだったのに、売る側はこのイベントにかこつけた商魂を出しすぎ、消費者側も妙に冷静にこの商材を見つめてしまった、ということなんだと思う。


まず楽しむという気持ちがあってこそのイベントであり、関連商売です。そこのところを忘れなければ、ぼくたちはきっと来年も恵方巻さんに会えるでしょう。実はぼく自身は元々このイベントに後ろ向きだったのですが、昨年、高校受験を控えた娘のためにということで会社の後輩から "田舎のおばあちゃん特製恵方巻" を譲っていただき実際に第一志望に合格できたという経験があるので、やっぱりこういうことは理屈とか金とかじゃなくて心なんだよなー、と実感しているのであります。

*1:クーポンサービスそのものが悪行だとは言ってませんよ。そういう悪徳な方もいて、それが目立ってしまっているということです