型にはまらない型


「型にはまった」とは、融通が利かなかったり型を与えられないと身動きが取れない人や代わり映えのないものを指す、どちらかとえばよくない意味の言葉ですが、「型」そのものはとても重要です。武道における「型」の意義を考えれば、容易に理解できるでしょう。


学生時代までは、「型」も「型にはまった」も日本人の専売特許かと思っていました。ところが社会人になってから学んだことは、「型」はむしろ海外で上手に活用されているのだということです。ただしその意味は、上で触れた武道における型、日本人が慣れ親しんだ型とはちょっと違うようです。


日本人の型はどちらかというと「どう反応するか、どう動くか」に主軸があり、欧米のそれは「どう理解するか、どう考えるか」(フレームワークと呼んだりします)に焦点が当たっているように感じます。どちらがいい悪いではなく、ビジネスパーソンとしてはどちらも必要な視点、技だと思います。ただ気をつけなくてはいけないのは、「型にはまらない」ことでしょう。すべてを枠にはめないと気がすまない(目的と手段の逆転)、型がなければ身動きが取れない(型依存)は、組織を疲弊させるだけですので、とくにマネジメントの立場の人間は注意が必要ですね。