知はノートと相性がいい 〜 Evernoteとノーツの話


いよいよ日本語版の提供が始まった『Evernote』が急加速の盛り上がりを見せているようです。(関連記事)


"クラウド型データ連携サービス" などと呼ばれてはいますが、Evernoteは「いつでも、どこからでも、あらゆる情報を放り込んでおける便利なノート」と思えばいいでしょう。一定の容量の範囲であれば無料で使えるサービスで、WindowsMac OSだけでなく各種モバイル環境(AndroidiPhoneWindows MobileBlackBerryPalm Pre、...*1 )からも使えるので、まさに時間、場所、環境を問わない超便利なノートが "いつでも手元に" ある感覚です。


Evernoteユーザーインターフェースは「タイトル、タグ、本文」というシンプルな構成。たいていのデータは受け入れてくれるので、細かいことは気にせず「気になったもの」や「とっておきたいもの」、「忘れたくないもの」などをどんどん放り込んでいく*2という使い方が主流のようです。


90年代中盤、ロータスで『ノーツ (Lotus Notes)』というコラボレーション製品の布教に励んでいたころ、とても重宝していたメモ帳がありました。そのメモ帳とは、5分間で自作したノーツのデータベース【memo】で、Evernoteのように「タイトル」、「カテゴリ(タグに相当)」、「本文」があるだけのシンプルなものでした。ぼくはここへ "すべて" を放り込んでいました。テキスト、ワープロ表計算のファイル、ウェブへのリンクやページそのもの、文書リンク*3などを保存し、いつでも取り出せるようにしてあったのです。検索は、テキストでの検索とカテゴリーからの絞り込みのどちらもできたので、とにかく便利でした。当時はネットやワイヤレス環境の充実度が今とは比較にならないため【memo】はローカルPCのみで使っており、この点がEvernoteと決定的に違いますが、日々接する情報や自分のアタマにあるアイデアを書き出しておくという利用目的ではまったく同じといえるでしょう。


現在はノーツを導入していない企業に勤めている関係でこの便利な【memo】がないのはさびしい限りなのですが、その代わりをEvernoteが担ってくれそうです。しかも、当時よりも利用環境の幅や他サービスとの連携が格段に向上したツールとして。


ノーツであれEvernoteであれ、人間の知は「ノート(note)」に残すと良いようです。

*1:一部日本語未対応

*2:タイトルやタグは省略可能なところもポイント高し

*3:他のノーツデータへのリンクのことで、ウェブのリンクと考えればよい。これがどんなに便利なものなのかはこちらのエントリーをご参照