Ed Brill。そしてSAPとノーツの接続

何日かに一度はノーツ関連のネタでエントリーを書いている身としては、古くからLotus DevelopmentでノーツのマーケティングをやってきたEd Brillのブログ*1はチェックしないわけにはいきません。彼は、私がロータス時代のごく初期に知り合いとなった外人のひとりですが、転職後はじめてのメールを打ったところ二つ返事でリンクの承諾をくれたので、ほぼ毎日更新されている彼のブログをリンク集に追加することにしました。(ちなみに彼の現在のお仕事はこちら)

さてタイトルにある「SAPとノーツの接続」。たまたま今日(昨日?)のEdのブログエントリーで目にしたのですが、「IBM Lotus Notes access for SAP solutions」というツールがあるそうですね。詳しく調べたわけではありませんが、休暇申請にノーツのカレンダーを使えたり、アドレス帳や会議室予約の連携、あるいはSAPのワークフローとの接続などが可能になるものとのこと。日本語環境での制限であるとか、ソフトウェアとしての成熟度がいかほどかは調べていませんが、ノーツからSAPへのコネクターというものはかなり以前よりあったので、使おうと思えばそれなりに使えるものではないか、と想像します。

同様の機能を提供するものとして「Duet」が、MicrosoftとSAPから最近発表されました。こちらはOutlook/MS OfficeをSAPのフロントエンドとして使ってしまおうというソフトウェアで、MicrosoftとSAPの共同開発。コラボレーション・インフラとしてはノーツとOutlook/Exchangeに圧倒的なレベル差があるので、連携によってもたらされる価値にも相応の差があるのではないかと予想しますが、時代がそうさせるのか、Duetはなかなか評判になっています。まだ最初のバージョンなので、開発した側も「これから機能拡張していきます」と控えめですが。

基幹業務からスタートして最近ではポータルを手がけながらコラボレーション支援も試みているSAPですが、その筋の専門家であるノーツなどのグループウェアとの連携を重視するのは正しい選択です。「ノーツの効能」として別途記したいと思ってはいますが、非定型業務の効率化はグループウェア誕生の背景であり、こいつを定型業務から"降りてきて"*2 実現するっていうのは無理があるんじゃないかと思います。時間の流れ方の概念とか、情報の捉え方とか、情報同士のリンク方法とか、多くの部分で性質が異なっているのではないか。SAPからすると、そいつらとは異質のものであるということを受け入れて今回のような連携環境を整えるか、仮に自前で持つにしても無理に既存のフレームに組み込もうとしないほうがいいのではないか、と考えています。

ちなみに"Lotus Notes access..."はノーツ・ユーザーは無償で使えます。Duetは有償製品です。

*1:edbrill.com - collaboration, technology, travel and more (http://www.edbrill.com)

*2:どっちが上位とか下位とかっていうことを意図しているわけではないのですが、雰囲気伝われば、、、と願います