機能とデザインの最適バランス


ウェブから使える様々な便利サービスをiPhoneアプリ化して公開、というパターンは数多くありますが、ウェブ版に比べてアプリ版の使い勝手が落ちるケースは画像処理系のものを除き少ないんじゃないでしょうか。むしろ、アプリ版の方が使いやすい場合もあります。


その一例が書籍管理の「MediaMarker(メディアマーカー)」(http://mediamarker.net)。書籍に関するいわゆるCGM的なサイトで、他人の書評や人気度などを参照できるとともに自身の購入履歴、読書管理情報もまとめておける便利なサービスなのですが、何か操作するたびにマウスポインターが画面上を縦横に大移動ししかもボタン/アイコン類が比較的小さいなど、操作性に改善の余地が多いなと感じていました。しかし、そのiPhoneアプリ版はウェブ版の欠点を解消し非常に使いやすい仕上がりになっています。画面遷移は基本的に上下スクロールと階層的なページめくり、ボタン類も大きく視認性や押しやすさもばっちり*1です。(iPhoneアプリはこちらから http://mediamarker.net/news/356)

iPhoneアプリ版の画面イメージは以下の通り。

 
(左) 自分のお気に入りを登録したり、購入・読中/読了・コメント・評価などを公開できる
(右) 編集・削除、アマゾンや本家ウェブページとの連携もシンプル

パソコンはもちろん携帯電話より圧倒的に解像度が低いiPhoneの画面(VGAの半分)の方が使いやすさに優れるという「MediaMarker」の現実は、古い言葉で言えばマン・マシン・インターフェース*2がシンプルであることの重要性を再認識させてくれます。日本のどの携帯電話よりも画面が狭いiPhoneの仕様上の制約が浮かび上がらせた「機能とデザインの最適バランス」は、ものづくりの現場で忘れてはいけない大切な考え方なのだなと痛感。

*1:実はつい最近まで参照しかできなかったのですが、最新バージョンで編集機能が搭載され基本機能はウェブ版に近付いています

*2:昨今では相手が「マシン」と限定するのは正確ではないのでユーザー・エクスペリエンスなどと言ったりしますが