テクノロジーが進化しても人間は退化しない


iPhone 3GS (コンパスがあるほうのiPhoneね) とGoogle マップでお出かけ最強、とか思ってたのに、今度は徒歩ルート案内までしれくれるようになっちゃって、およそ都市部かつ地上の物体を目標とする限りにおいては無敵になってしまいました。この無敵ツールがなかったときと現在の行動の違いを振り返ってみると、物理的にも心理的にも圧倒的にいまの方が「楽」です。いや、楽どころじゃない、道具を操ること以外まった頭を使わなくなってしまいました。


図: Google マップの徒歩ルート検索は便利


昨晩も、立ち入った事のない内幸町エリアの忘年会会場へiPhone片手に「ああ俺頭使わなくなっちゃったな、大丈夫かな」と思いふけりながらGoogle マップとコンパスが指し示すままに歩を進めていました。そのまま目的地まで理想的なルート、最短時間でたどり着いたのですが、まてよ、とそこで思い当りました。技術の進歩によって「頭を使わなくなった」のではなくて、「他のことに頭を使えるようになった」んだ、と。いや、大した発見じゃないですけど(笑)、自分としてはその場で膝を打ちました。


テクノロジーによって世の中が豊かになると信じている私は、テクノロジーのせいで人間が怠け者になるとか、頭や体が退化するという状況は考えたくもありません。でも実際は、たとえばGoogle マップがどんどん便利になることによってそんなぼく自身さえも退化しかねないわけです。


今回の一件で学んだことは、テクノロジーがゴールに連れて行ってくれるのではなく、ゴールに到達できるコンディションを用意してくれるのがテクノロジーなんだな、ということ。ゴールをつかむのはやっぱり自分自身の力ってことで。