一年半ほど前、登場したての (Google) Gears を見たときの印象を記しておきました。ここに来て、誰もが使っている (は、言い過ぎ?) Gmail、そして Google Calendar などが Gears に対応しオフラインモードを選べるようになったため、一般人の感覚としてはようやく身近なものになりつつあるのかな、と思えるようになってきました。当時も言及しましたが、オフラインモードを実現するための同期機能はロータス ノーツの必殺技のひとつであり、その比較の点からも Gears がどの程度の使い勝手をもたらすかについて大いに期待していましたが、品質面でも機能面でも現時点でまだ発展途上のようです。もちろん、独自世界の中で同期 (複製 = Replication) を実現していたノーツと、複数のブラウザや Web というオープン環境の中で実装していく Gears を単純に技術面で比較することは公平ではありませんが、オフラインモードで使えない(書き込みができない)カレンダーって、さびしいなあ。(見れないよりはいいけど...)
優れたオフライン環境、つまりオンラインでできていることをオフラインでもストレスなく実行させるためには、データベース構造全体をレプリケーション用に注意深く作っていくことが必要なんだと思いますが、結構大変なこと。設計思想の深部にレプリケーション、あるいはピア・トゥ・ピアの魂が宿ったノーツと比較しちゃいけないけど、"Web アプリをオフラインで使えるようにする環境" を標榜する Gears のハードルは非常に高いと言えます。
