『グーグル八分とは何か』を読みました。この本の存在は知っていたものの積極的に買おうとまでは考えていなかったのですが、息子のポケモン図鑑を買いに行ったときにたまたまセンスのいい表紙が目にとまり、「おお、これか」と手に取りそのまま購入。
読む以前は、自身の運営するWebサイトがまさにグーグル八分の対象となった著者の「反撃」的要素が強いのではないかと予想していたのですが、むしろ著者自身は基本的にグーグルに好意的なのだと感じ、自分は出版の目的を勘違いしていたことを知りました。この本の目的は、グーグル八分の実態をなるべく正確に世に伝え、グーグル八分のやり方を変えさせること、だと私は考えています。
検索結果に対してフェアでない判断や手続きによって私企業であるグーグルが意図的に情報の存在を消し去ってしまう「グーグル八分」について、世間はもっと知るべきだと思います。グーグルがない世の中など私は考えられませんし、彼らが行っている多くの「破壊行為」*1は世界をより良い方向へ導いてくれると信じています。そこまで社会への影響力も大きく公共性が高い存在のグーグルだからこそ、グーグル八分という一種の検閲行為は変えていってもらわなければいけないのです。
同書は豊富な事例を紹介することによって、グーグル八分として今なにが起きているのかについての理解は確実に深まります。著者は「名誉毀損を巡る現状こそが、グーグル八分の本質だからです」ともおっしゃっていますが、限られたスペースの中で十分に触れることができなかった点として、グーグルがアメリカの企業であるという点も今後大きな問題となっていくかもしれません。
というわけで、一般常識として、同書を読むことをおすすめします。読みはじめから終わりまでずーっと頷きながら読んでいたわけではありませんが、より多くの人が「事実を知る」ことの方が重要だと思います。
(センスいいよね? この↓表紙)
- 作者: 吉本敏洋
- 出版社/メーカー: 九天社
- 発売日: 2006/12
- メディア: 新書
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*1:強力な検索サイトを軸に、ソフトウェア業界や広告、その他社会の枠組みを次々と壊していくこと