女傑ヒシアマゾン逝く

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女傑と呼ばれた競走馬、ヒシアマゾンの訃報が届きました。平成2年に生まれ平成最後の年にこの世を去るという、まさに平成を生きた彼女は享年28歳。人間で言えば80〜90歳にはなろうかという、大往生ではないだろうか。

JRAのレース構成において外国産馬(外国生まれ)の扱いがまだ限定的だった時代にもかかわらずターフで輝いていた彼女は、G1レースの戦績から見れば、ダービーやジャパンカップ を勝ったウオッカやその強力なライバルであったダイワスカーレット(関連記事: 『誰も彼女を追わなくなる 〜 最強牝馬ダイワスカーレット』)、ごく最近の例ではアーモンドアイのような牡馬を蹴散らす超女傑たちとの比較においては見劣りがするものの、平成競馬の歴史にしっかりと名を残す名牝であったと思います。残念ながら繁殖牝馬としては成功しませんでしたが…。

アマゾンと言えば、Amazon.comが生まれたのはヒシアマゾン誕生より後なんですね。ヒシアマゾンは「アマゾネス」、Amazon.comアマゾン川がその名の由来と聞きますが、デジタルな世代観から見つめると、「デジタル夜明け前」に疾走したアマゾネスは、平成の終わりとともに、デジタル変革がいよいよ本格化という時期にひっそりと旅立った、そんな人生だったんですね。