誰も彼女を追わなくなる 〜 最強牝馬ダイワスカーレット


2008年のオーラスGI(国際グレード1)、有馬記念ダイワスカーレットの圧勝で終わりました。牝馬有馬記念を制するのはトウメイ以来37年ぶりのこと。


史上まれに見る好レースだった前走の「天皇賞(秋)」で負けてなお強しを印象付けていた彼女でしたが、好スタートから先頭に立ちそのままハイペースな流れを作り、最後の直線では後続を「振り切る」というよりも「退ける」という形容がぴったりの圧倒的な走りで余裕を持ってゴール板を駆け抜けました。2着との着差 1 3/4馬身(0.3秒差)という数字自体はぶっちぎりというほどではありませんが、彼女を追いかけた馬たちが軒並み馬群に沈んでいったことを考えればその強さは際立っています。しかも一戦ごとに確実にその強さを増しているのが空恐ろしい。


いまの彼女に太刀打ちできるとしたらディープインパクトしか思いつきません。おそらく史上最強の牝馬だろうし、今日のレース後に同馬関係者が凱旋門賞参戦をうかがわせるコメントを残したことに何の違和感も感じません。もしそれが実現すれば、エルコンドルパサーディープインパクトに次いで期待の持てる挑戦と言えるでしょう。(ぜひ、早めにフランスに入ってステップレースを踏んでから参戦してほしい...)